どこかの遠い国から
海を渡って
トラックの中ユラユラ揺れて
新しい相棒がやって来ました
チャリンコとの懐かしい
思い出が
ひとつびとつ蘇って来ました
初めてのチャリンコ
7、8歳ごろだったのかな
試験で一位になって
なおかつ全科目90点以上
取ればチャリンコ買ってやるよって
約束だった
頑張らなくても
123位は当たり前だったんで
全科目90点はちょっと頑張った
翌日に買ってくれると
思ってたのに
一週間たっても
チャリンコが担いで
帰ってくる親父の姿が
見あたらず
まだかまだかと
しつこく付き纏うガキ
今日はチャリンコ屋さん
休みだった、
今日はお前が乗れるザイスが
なかった、
今日は港からこっちに運んでる
途中でトラックが壊れたらしい
二週間もたてばチャリンコのことも
だんだんと忘れていった
忘れかけたごろ
ヘラヘラと笑いながら
チャリンコを担いで
帰って来たオヤジ
その日暮らしで
五人の家族の面倒見てた
オヤジにはチャリンコって
でかい買い物だったんでしょう
今になって少しだけわかる
オレにはどうも出来なかったこと、
父親になったと言う
実感があんまりなかったでしょう
ただすうっと一緒に遊んで
居たかっただけ
子供の顔も見ず
朝から晩まで
奴隷みたいに働くだけだったら
別れた方が良いと
自分で選んだ
(自由にさせてくれてありがとう)
その親父も
今は寝たギリの状態らしい










