2013年12月19日早朝、
京都市山科区にある東証一部上場企業、
「餃子の王将」本社玄関前で、同社社長、大東隆行氏が
ピストルで撃ち殺された。

大東社長
<大東隆行社長>

この事件の犯人は、まだ見つかっていない。
一時期騒いだマスコミも急に報道しなくなった。

この大東社長は、人望もあり、
恨みを買うような人ではないと
関係者の誰もがそう証言していた。
早朝に会社の玄関や駐車場の掃除を社長自らする
上場企業ってあるだろうか?

しかし、証拠品などから、
殺害に使われた拳銃が25口径という
小型の銃で、至近距離で撃たない限り、
相手に致命傷を負わせるのが難しいという銃を使っていることから
犯人は初めて人を撃ったのではなく、過去に何度か人を撃った
経験があるプロの仕業だと見られている。

この25口径の小型銃が何なのか特定されていないが、
有名なのが「コルト25オート」という銃だ。
下の写真で見れば分かるが、手のひらにスッポリ隠れる大きさだ。

Colt 25Auto
<コルト25 オート>

この銃で、数メートル先の人間を撃っても殺すことは難しい。
肋骨に当たると跳ね返る程度のシロモノで、
一般的には女性が護身用にハンドバックに忍ばせておく銃なのだ。

それでも、相手の服に密着させて打てば、音は相手の体の筋肉などが
消してくれるため、サイレンサーなど付けなくても
周囲に気づかれることなく十分殺傷可能なのだ。
大東社長が、大声を出していないことから、
女性のスナイパーが近づいていって、大東社長が油断した瞬間に
体に密着させて発射したのではないだろうか。

そこで、夕刊紙などで一時期話題になったのが
三代目社長の加藤貴司という人物の怪しさだ。

加藤貴司&カチェリーナ
<加藤貴司と妻のカチェリーナ>

そもそも、「餃子の王将」は、この三代目の社長の
父親である、加藤朝雄が創業者であり、
体調を崩してから、元アサヒビール副社長の望月氏に
社長の席をバトンタッチしていたのだが、
朝雄氏が亡くなったとたん、長男の貴司が望月氏から
社長の椅子を奪うようにして三代目の社長となった。

この三代目社長は、暴力団との付き合いがあり、
社長の椅子に座るや否や、暴力団関係者に約90億円もの
巨額融資を経理や弁護士に相談することなく独断で行い、
さらに1998年には、これまた暴力団絡みの
京都通信建設工業に全くの無担保で融資するなどして
本業そっちのけで、金貸し業を独断で行うようになった。

その融資金額が、次から次へと膨らんで
ついに470億円にもなってしまい、
次々と回収不能となったり、
担保価値が融資金額の何十分の一しかないことが分かったりして
社内からも問題視されるようになっていった。

そこで、本業の業績回復と借金の清算という非常に厳しい
役目を次の四代目社長の大東氏にバトンタッチして、
加藤貴司は単なる相談役に退いたのだが
大東社長が頑張ったおかげで、加藤貴司の
もう一度社長にという夢は実現不可能になってしまった。

さらに、追い討ちをかけたのが加藤貴司と彼の子供が
そろってエジプトで妻を残して行方不明になっているということだ。

さて、そうは言っても加藤貴司は創業者の長男であり、
社内にも彼をヨイショする人物はまだ残っていた。
そんな彼らが、大東社長を説き伏せてオープンさせたのが
本場中国の大連市への進出だった。

現地では、日本企業だということで
中国の暴力団から日本のやきざ同様「みかじめ料」を
払えと連日嫌がらせが続くようになったが、大東社長は
絶対にそんな金は払わんと抵抗し続けたという。
しかし、大連の「餃子の王将」の経営体制は完全子会社ではなく、
現地の朝鮮系中国人によるフランチャイズ経営で
北京や上海ではなく、大連だけに4店舗もオープンさせている。

さて、この大連店の主な従業員は現地で雇った
中国人だが、オーナー以外の管理職は日本人で
何度も京都と大連を往復していた。

ここに目をつけたのが、かつて三代目社長の
加藤貴司から多額の資金を融資してもらった連中だった。

ここから先は、ジャーナリストのあの勝谷誠彦氏の情報だ。

2013年12月12日、
北朝鮮ナンバー2の張成沢が「国家転覆陰謀行為」の罪で
逮捕され、即効で処刑され、その上、彼の子供や孫、
親戚までもが同様に皆殺しにされた。
女性や子供も含めてだ。

この張成沢という人物は、金正日の妹の夫であり、
金正日の時代に、中国とのパイプ役を務め
それで私服を肥やしていたとされている。

中国の大連市は、北朝鮮にも近く
実際、北朝鮮の人達が結構いるところなのだ。

「餃子の王将」の最初の中国進出をそういう場所の大連で
あえて出展させた意味は、この張成沢が
「餃子の王将 大連店」を日本からの
資金搬送の窓口として使ったのではないか、
というわけだ。

金正恩が、この張成沢の不正を知って
張の一族全員だけでなく、資金搬送の手助けをした
「餃子の王将 大連店」の本社の社長までも
殺させたのではないかというのが、
勝谷誠彦の推理である。

さもありなん。

「餃子の王将、大連店」は、
大東社長が銃殺されて一ヵ月後の今年一月、
マスコミが報道することなく、4店舗全部がひっそりと閉店した。