5.ポジティブ感情体験の創造


台風が近づくと、

漁師たちは船を港の外へ移動させる。

そこで、錨を下ろして、ただひたすらに

台風が通り過ぎるのをじっと待つ。


万が一、船を港の外へ移動させずにいたら

船同士、あるいは岸壁とぶつかってしまい、

船が大破してしまう可能性があるからだ。

錨を海に下ろした船は、


どんなに海が荒れようとも

その場で激しく揺れるだけで

遠くへ流されることはない。


「ポジティブ感情体験」は、

この「錨」と同じような役割を担う。

そこに、しっかりと相手との「つながり」を

固定させるのだ。


見込み客(あるいは顧客)の「ポジティブな感情体験」は

相手とあなたとの関係を

より強く結びつけるように働く。



それ自体が、

「ポジティブナ感情体験」が累積されると、

あなたが相手にもっと多く、もっと強く、

もっと早く求めようとしても

相手はそんなあなたに素直に従うようになるだろう。


あなたが、ドアを開けてあげるといった、

誰かにとっての「ポジティブ感情体験」を

作ってあげれば、

あなたにとっての「ポジティブ感情体験」となり、

「相互関係」が生まれる。


そして、相手はあなたとの「つながり」を

さらに強化しようとして、

長期間に渡ってあなたの期待に応え続けようとする。


(つづく)


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あなたが、誰かと交渉した後、

その相手がどう感じたかが重要だ。


仮に、相手が次のように感じたとしたら

それは「ネガティブ感情体験」ということになる。


*「何かやたらと話して帰ったが、

結局彼は何を言いたかったんだ?」


*「アポの時間に20分も遅れながら、

電話が掛かってきたとか、渋滞してたとか、どうたらこうだら、

来るなり言い訳ばっかり、どうも信頼できんなぁ・・・」


*「折角持ってきてもらった資料も、

前回俺が何度も説明した主旨とは違ってるし、

あんな担当者がいる会社と付き合って大丈夫かいな?」


相手がこんな感想を抱くようでは

末永いお付き合いは無理だろう。


逆に、「ポジティブ感情体験」の場合は

こんな風になる。


*「あんなしっかりした営業マンが

ウチにいれば百人力なんだけどなぁ・・・」


*「若いけど、実に礼儀正しい担当者だよな」


*「まさか、一晩であれほどの資料を作って

持ってくるとは、ホンマ凄い営業やな・・・」


相手が、ニコッとするような

そんな体験をしてもらおう!


その積み重ねによって

やがて、相手はあなたに対して

特別な、そしてポジティブな気持ちを抱くようになる。


そうなると、今度は相手が

あなたと長く付き合いたいと思うようになり、

積極的にあなたに話しかけ、頼み、発注するようになる。


人が買うのは、間違っても嫌いなヤツからではない。


好ましい相手からだ。

いくら安くても、嫌な相手からは

決して買ったりはしない。


例えあなたがWeb3.0の新たな戦略をとっていても

そこから見え隠れする、「あなた」が好かれなければ

意味はない。


押し付け(アウトバウンド)セールスの時代は

終わったのだ。

これからは、引き寄せ(インバウンド)セールスの

時代だ。


是非、「あなた」を買ってもらおう!


【参考文献】

The Power of Who/Bob Beaudine

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The Likeability Factor: How to Boost Your L-Fac.../Tim Sanders

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A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule .../Daniel H. Pink

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People Follow You: The Real Secret to What Matt.../Jeb Blount

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People Buy You: The Real Secret to what Matters.../Jeb Blount

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