都市伝説その1:友は友から買う



一見すると正しいような気がするのが、

「友は友から買う」だ。


あなたが全く知らなかった新製品やサービスを

見知らぬ赤の他人から購入を勧められるのと、

昔からの友人から勧められるのとでは

どちらが買ってしまいやすいかと考えると

やっぱり友人から勧められた場合だよなと

普通はそう思ってしまう。


果たして、この「友は友から買う」という定義は

本当に正しいのか?

私の体験よりも、ここでは

Jeb Blount(ジェブ・ブロント)の体験を

彼自身の言葉で紹介したい。


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20代前半に、直販のセールスになるために

私はある会社に雇われた。

それは、一般消費者へある商品を売るという

固定給のないフルコミッションの仕事だったのだが、

その分、稼げる人はかなり稼げるという仕事だった。


しかし、当時の私は、まだ若くて世間知らず、

熱心だが全くの一文無しだったこともあり、

他の新人セールスと一緒に

トレーニング室に集合させられたとき、

私は早く仕事がしたくて待ち切れなかったくらいだった。


また、大学を苦労して卒業したこともあって、

自分自身の能力と時間だけで破格の収入を得られる

セールスという仕事に就いたことで

私はまるで夢が実現したように思ったのだ。


我々のトレーナーは、

Jerry(ジェリー)という名の男性で、

面白くてしかもエネルギッシュな人だった。

彼の仕事は、高いノルマを課して売らせるために

我々に会社の販売システムを教えて、

訓練することだった。


ところが30日も経つと、

我々のグループの大半の者が

訪問先での拒否に疲れ切って、

壁を叩いてののしっては辞めていったのだ。


ジェリーは、我々にこういった事実を

話してはくれなかった。

彼が教えたシステムに我々が忠実に従うならば、

金のなる木を得たも同然だと話していたのだ。


トレーニングの終了間際に、

ジェリーは、今日は特別なゲストが来てくれたと発表した。

会社一番のスゴイ販売実績を誇っている男が

その秘密を我々のクラス全員に教えるために

わざわざやって来たというのだ。

私の周囲にいた若者たちは

誰もが皆目を輝かせていた。

誰もが自分の席で体を起こして、

ペンと紙を持って、今や遅しと待ち構えていた。

そのとき我々は、成功への扉を開ける

準備ができていたはずだった。


Herb(ハーブ)という名のその男性は、

茶色のすり切れて反り返った靴を履き、

安物のグレーのスーツを着た、

背の低い、ずんぐりむっくりした男で、

どう見ても、20歳以上老けて見えた。


彼はクラスの皆の前に立つと、

我々に視線を送りながら、押し黙ったまま

2,3分間何もしゃべろうとはしなかった。


我々は、緊張していた。

我々の目の前に立っているその男性は、

ジェリーによると、

会社の過去のあらゆるセールス記録を

塗り替えた男だという。


ハーブは、話し始めた。


「私が今まで見てきた新人セールスの中で

このクラスは最高だ、

君たち全員が成功するだろう」


それから、彼の顔は急に真顔になり、

南部の田舎なまりのゆっくりした口調で、

彼は続けた。


「ボーイズ!(「諸君!」といったニュアンス。

この時、新人セールスには女性は一人もいなかった)

私は、多くの人から、

なぜそれほど成功しているんだと何度も訊かれました。

その際、私は常に二つの事を話してきました。

それこそが、君たちの銀行口座の数字を増やす秘訣なのです。


第1に、一生懸命に働かなければならないということ。

怠けると、少しのお金すら儲けることはできません。


第2に、これは、重要です

(彼は効果を狙って一呼吸入れました)。

【友は友から買う】です。」


彼の秘密は、結局そういうことだった。

リフォーム用の窓とサイズ調整のための羽目板を売る

ハーブの成功の秘密は、

一生懸命に働いて、自分の友人に売ることだったのだ。


その翌日、ジェリーは、セールス訓練を受けている我々を

一人前と見なし、正式に卒業させてくれた。

誰もが、見込み客を探して外へ飛び出して行った。


私は、早速、自分の友人や

両親の友人に電話を掛けまくった。

ハーブが何を言ったのか覚えていたからだ。


1週後に、私は友人輪の外に追いやられてしまった。

誰ひとりとして、リフォーム用窓や羽目板なんか

必要としていないことが分かった。


無数の不動産仲介人、保険代理店、証券仲買業者や

ネットワークビジネス従事者たちが

学んだ教訓を、私も学んだのだ。


「友は友から買う、但し、たまにだけ。

大抵の友人は、

友人だからと言って買ってくれることはない。

そして、友人が尽きるか、自分が友人から走り去るか

そのどちらかになる」


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「さっさと、もっと多くの友人を作りに行く必要がある」と、

今も一部のセールス・トレーナーは言う。


さて、ここに、文字通り新しいニュースがある。

それは、新しい友人を作ることは簡単ではないということだ。


それは能率が悪く、正直に言って、そんなことをしたって、

せいぜいあなたは人生で限りある人数の友人を

管理することができるだけなのだ。


あなたの友人が、

あなたが望むものを得られるよう手伝ってくれることもできるし、

実際そうしてくれることもあるだろうが、

あなたがビジネスで対応すべき非常に多くの人々は

わざわざそんなことはしようとはしない。

もちろん、あなたの友人だって同じことだ。


ビジネスで成功したいなら、

あなたから買う友人でない人々を

あなたはつかまえなければならないのだ。


(つづく)


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昔、こんなことをある人から言われた。

「親友は一人、友人は10人、知人は100人。

ならば、私はそれを二乗してやろうと思った」


つまり、知人を一万人、友人を100人、

そして親友はやはり一人ということになる。


成功する人というのは、

それくらい人脈を持っているということだ。


あなたが、顧客は百人だけでいいなら、

友人、知人にに売り込めば済むだろう。

そんな数字で満足できないと思っているなら

友人でもなく知人でもない人に

顧客になってもらう必要があることは明白だ。


但し、あなたを嫌っている人はどこの誰であれ、

間違っても顧客にはなってくれないことも事実だ。


人が買うのは、間違っても嫌いなヤツからではない。

好ましい相手からだ。

いくら安くても、嫌な相手からは

決して買ったりはしない。


例えあなたがWeb3.0の新たな戦略をとっていても

そこから見え隠れする、「あなた」が好かれなければ

意味はない。


押し付け(アウトバウンド)セールスの時代は

終わったのだ。

これからは、引き寄せ(インバウンド)セールスの

時代だ。


是非、「あなた」を買ってもらおう!


【参考文献】

The Power of Who/Bob Beaudine

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The Likeability Factor: How to Boost Your L-Fac.../Tim Sanders

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A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule .../Daniel H. Pink

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People Follow You: The Real Secret to What Matt.../Jeb Blount

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People Buy You: The Real Secret to what Matters.../Jeb Blount

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