前回、「Web 2.0」で見落としがちな
大きな五つの限界というものを列挙した。
1.飽和
2.誤解
3.時間
4.相互作用
5.開放性
今回は、5.の「開放性」ということについて述べる。
開放性
最後に、「Web 2.0」の「開放性」そのもが、
「Web 2.0」の明白な限界となったことを述べる。
特別有名人でもない大部分の一般人には、
「プライバシー」がある。
しかし、あなたが、原則実名登録の
「Facebook」や「MySpace」のアカウントを持っていたり、
「Flickr page」を利用していたりすると、
あなたの「プライバシー」は
急激に希薄なものとなるのは間違いない。
(それゆえ、日本での利用者数が伸びていない)
もし、あなたが「Facebook」の熱心な利用者か、
定期的に配信されるニュースを読んでいたなら、
例え自分のアカウントを変更したとしても、
「Facebook」側があなたの元の登録情報をしっかり
握ったままだという事実が
頭の片隅に残っているかも知れない。
彼らはいつのまにか運営方針を変更したのだ。
だが、多くの利用者は、そこまでのことは知らないし、
それ以上のことも知らない。
さらに、彼らはその方針をまた元に戻したのだが、
なぜそうしたのかも、よく分からない。
我々は仲間同士で、ネット上で
自分たち自身についての詳細な情報を
やりとりしながら共有し、楽しんだりする。
しかし、そのことが楽しいだけではないという
ことに気がつくべきなのだ。
例えば、あなたが「Gmail」のアカウントを持っていて
誰かにメールを送信したとしよう。
「Gmail.」の上部の「Google Ads」に注目して欲しい。
ここで表示される広告は、
あなたがe-メールで書き込んだ言葉に関連する広告を
自動的に選択して表示しているのだ。
あなたが、たまたま「自己啓発法」と書き込んだときは、
「自己啓発セミナー」の広告を見ることになるかも知れない。
「歯が痛い」と書き込めば、
たちどころに「歯科医院」や、「インプラント」の
広告が現れるという次第だ。
もちろん、同じ手法が、
この「アメブロ」にも使われている。
ブログの記事に書き込んだ言葉に応じて
ブログ記事の最後に関連した広告が三つ表示される
仕組みになっている。
相手(アメブロ)は、
あなたが何に興味を示すのかを勝手に推測して
勝手に三つの広告を選んで表示し、
世間に教えてくれるのだ。
なんて、おせっかいなんだ!
(つづく)