第四話~新たな出会い~



「ルラ!これは? わぁ、これは!」

「ふぅ・・・」


外に出て、ラグトの目はずっと光っている。

何もかも、新鮮なのだろう・・・しかしだ、行ったところところで絶対、こんな調子で少々、困ってしまう。


「ほら、転んじゃうよ?」

「うん! ―――わ!」

「はぁ、言った瞬間・・・転ばないの」


すぐに、かけより砂を落としてあげる。


「あはは・・・ごめん。」

「もう、はしゃいじゃ駄目だからね? はい」


私は、ラグトに手を取って繋いであげる。

嬉しそうに、ラグトは私の手を強く強く繋ぐ。


「・・・今日ね、帰ったら地下の人形を全部、上にやろうかなと思うんだ」

「―――ふーん」


予想以上に反応が薄い。

不思議に、ラグトを見てみると・・・嫌そうな顔をしてる。


「・・・ラグト、わかりやすい。フフ」

「む、だって・・・」


多分、自分だけ相手にして貰いたいのだと思う。

だから、嫉妬。


「でも、ラグトもあんな地下室にいるの嫌だったでしょ?」

「・・・うん」

「じゃあ、ラグトみたいな思いの子を作らないように・・・出してあげなきゃ」

「・・・・・・・うん」


しぶしぶ、頷くラグトを撫でてあげる。

この頃、ラグトの頭を撫でることが癖みたいになってきている自分に苦笑しちゃう。


「さぁ、帰ろうか・・・わ!」


もう一度、ラグトの手を取って・・・歩き出す。

そこに、強い風が吹いてくる、目も開けれない。


『何を――でいる・・・なぜ、――ともし――い』


ふと、風に紛れて声がした。


「?・・・ラグト、何か言った」

「何も言ってないよ?」


周りを見渡すが、人の気配はない。


「気のせい・・・だよね」


頭を一度、振ってラグトと共に家に帰る。

その建物の影に・・・人影があったのもわからずに―――

――――   ――――



「よぉーし、やる!」


家について、すぐに私は地下に向かう。

その後ろにラグトもついて来る。


徐々に、物が無くなってくる。


残ったのは、三体のラグトみたいな人の形をした人形達。


「・・・・・・・・・」

「ルラ、どうしたの?」

「ん・・・うん、ちょっと壊れかけてるから直してから上にやろうかな・・・って」


やはり、三年も放置していたせいもあるのか・・・所々、壊れそうなとこもある。

それに・・・やっぱり私の自信作の人形達を壊したままにしたくない。


「! じゃあ、また人形作るの!?」


ラグトが、とても嬉しそうに私にといてきた。


「人形は、作らないよ・・・直すだけ、でも服だけなら作るかな」

「・・・うーん、そっか。でも、『私は貴方様の、人形を作ってる姿をもう一度、見たいです』

「そう?・・・そんな見ても―――・・・は?」


ついつい、いつもの流れで返してしまう。

だが、どうみてもラグトの声なんかではない。


ラグトを一度、見て・・・後ろを見る。


「初めまして・・・ではなく、お久しぶりで御座います。ルラ様」


美しい、人。

髪は、長く・・・艶やかな藍色をしている。

見たことはある、さっきまで・・・出掛ける前に見た。


そう、私が作った人形・・・・。


目を、開いたり・・・閉じたりしている。

まるで、生きてるみたいに・・・・。


私は、ゆっくりラグトを見る。

ラグトも、ポカンとしていた。



END


四話=七日目