ちっぽけな傘なんかじゃ、どうにもならない嵐がある。
とても防げない雨風に打たれるときがある。
倒れた草木は、ただそこに倒れ、
帰りを急ぐ人だけが必死に歩いていった。
自分や、大切な持ち物がびしょ濡れることを私は昔からきらいだった。
なんだかどうしようもない気持ちで、泣き出したいほどだった。
濡れてしまえば、意外とスタスタ歩けることに今日少し気がついた。
、、、忘れられない夕暮れがある。空が高い、季節は秋だった。
高校生の私はベランダにいて
5色ほどに染まって行く山際と、帰る鳥を見ていた。
突然のことだった。
『こんなところで自分は何をしているんだろうか』
そんな思いが胸をよぎった。
明日死んでしまうかもしれない。
明日会えなくなってしまうかもしれない。
大好きな人も、夢も、いつかなんて場所にはない。
行きたいと思うなら、今、行かなければ、
行こうとしなければ、心が削れていく・・・
そう思った。
あせる気持ちが胸を突き刺していた。
帰る場所をなくしても、行かなければと。
、、夢からも、愛する人からも、遠い町に住んでいた。
はっと我に返ると、少し前まで明るさを残していた空は
まるで一瞬のように夜に移り
いつの間にか星が輝きだしていた。
頬に当たる風が急に冷たさを含んでいた
“あぁ、もうすぐ冬がくるんだ”・・・そう思った。
その時母が、夕飯のために私を呼んだ。
窓から見える一階のリビングは暖かい灯りがともり、煮物の匂いがした。
私は旅立てなかった。・・・・ただ、冬が来ると思っただけで。
、、どうしようもない嵐のことを幼くも私は知っていた。
その時誰かそばにいるのだろうか、多分そんなことを考えた。
変わっていないのは、明日という日が当たり前ではないという事実だ。
今日という日がそこへ確かに繋がっているのかは分からない。
だけど、時がたち、ずいぶんと心強く私は生きている
ずっとたくさん時間があったあの頃よりも、生き急がずに生きている
会いたい人たちや、夢や、月日の分だけ増したのだけれど。
ボロボロの傘と、びしょ濡れの体で、
前すら見えない強い風の中を、とにかく私は今夜家に帰り着いた。
・・・目的があるものならば、目指す場所が心に確かにあるのならば、
進み続ければいつか必ず辿りつくのだと
当たり前のように、台風が教えてくれたような気がした。
そんなふうにして夢も、いつかきっと叶う。そう思う。
特別なことじゃなくて。
全ての人にとって人生はきっとシンプルに出来ている
どんな優しい人の庭にも必ず雨は降る。
だけど、、
雨が上がり、また日が差した時、きっと人だけはそこに咲いていられる。
少し強くなって。
そこから笑って、また庭に新しい花を植えればいい。
だからきっと、嵐は恐れなくても、
傘の強さ気にせず、わが身ひとつで歩いていければいいのだと思う。
前だけを見て。。
そして誰かが倒れていたときには、
立ち止まって雨が上がるまで傘をさそう。
大切な人ならば、庭が戻るまでずっと側にいよう。
大丈夫、そう言いたいと思う。
とても防げない雨風に打たれるときがある。
倒れた草木は、ただそこに倒れ、
帰りを急ぐ人だけが必死に歩いていった。
自分や、大切な持ち物がびしょ濡れることを私は昔からきらいだった。
なんだかどうしようもない気持ちで、泣き出したいほどだった。
濡れてしまえば、意外とスタスタ歩けることに今日少し気がついた。
、、、忘れられない夕暮れがある。空が高い、季節は秋だった。
高校生の私はベランダにいて
5色ほどに染まって行く山際と、帰る鳥を見ていた。
突然のことだった。
『こんなところで自分は何をしているんだろうか』
そんな思いが胸をよぎった。
明日死んでしまうかもしれない。
明日会えなくなってしまうかもしれない。
大好きな人も、夢も、いつかなんて場所にはない。
行きたいと思うなら、今、行かなければ、
行こうとしなければ、心が削れていく・・・
そう思った。
あせる気持ちが胸を突き刺していた。
帰る場所をなくしても、行かなければと。
、、夢からも、愛する人からも、遠い町に住んでいた。
はっと我に返ると、少し前まで明るさを残していた空は
まるで一瞬のように夜に移り
いつの間にか星が輝きだしていた。
頬に当たる風が急に冷たさを含んでいた
“あぁ、もうすぐ冬がくるんだ”・・・そう思った。
その時母が、夕飯のために私を呼んだ。
窓から見える一階のリビングは暖かい灯りがともり、煮物の匂いがした。
私は旅立てなかった。・・・・ただ、冬が来ると思っただけで。
、、どうしようもない嵐のことを幼くも私は知っていた。
その時誰かそばにいるのだろうか、多分そんなことを考えた。
変わっていないのは、明日という日が当たり前ではないという事実だ。
今日という日がそこへ確かに繋がっているのかは分からない。
だけど、時がたち、ずいぶんと心強く私は生きている
ずっとたくさん時間があったあの頃よりも、生き急がずに生きている
会いたい人たちや、夢や、月日の分だけ増したのだけれど。
ボロボロの傘と、びしょ濡れの体で、
前すら見えない強い風の中を、とにかく私は今夜家に帰り着いた。
・・・目的があるものならば、目指す場所が心に確かにあるのならば、
進み続ければいつか必ず辿りつくのだと
当たり前のように、台風が教えてくれたような気がした。
そんなふうにして夢も、いつかきっと叶う。そう思う。
特別なことじゃなくて。
全ての人にとって人生はきっとシンプルに出来ている
どんな優しい人の庭にも必ず雨は降る。
だけど、、
雨が上がり、また日が差した時、きっと人だけはそこに咲いていられる。
少し強くなって。
そこから笑って、また庭に新しい花を植えればいい。
だからきっと、嵐は恐れなくても、
傘の強さ気にせず、わが身ひとつで歩いていければいいのだと思う。
前だけを見て。。
そして誰かが倒れていたときには、
立ち止まって雨が上がるまで傘をさそう。
大切な人ならば、庭が戻るまでずっと側にいよう。
大丈夫、そう言いたいと思う。