こんばんは☆


門奈りさ (Monna Lisa) ~No art, no life~


今日の午前中はお天気が良かったので、バルコニーで将太(黒猫♂)と一緒に本を読みながらひなたぼっこしました。


秋のお昼は風も少なく、日差しがメタメタ気持ちいい!


そんな中読んだのはコレ↓
門奈りさ (Monna Lisa) ~No art, no life~

『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(村上春樹著)


この本に


『太陽の光が長い道のりを辿ってこのささやかな惑星に到着し、

その力の一端を使って私のまぶたをあたためてくれていることを思うと、

私は不思議な感動に打たれた』


っていう文があるんだけど、めっちゃ共感する。


『やみくろ』が私たちを憎む気持ちもわかるな~。


あぁっ!!えっと・・・

『やみくろ』というのは、この物語に存在する、地下に住み、下水や死体の血肉を食べて生きる生き物でね、

光に弱く、太陽の下に生きる者(つまり、私たち)を羨み、憎んでいるの。


でも、太陽の下がこんなにも気持ちがいいのだもの。


『やみくろ』が私たちを妬むのもわかるわ~、とか思うw


そーいえば、この本の主人公と『ねじまきクロニクル』の主人公の性格が似ているって思うのは私だけかしら?


物事にこだわらない淡白な性格とか、優柔不断なところトカw

私は、村上春樹さんの本はまだ全部読んだワケじゃないけど、メインの男性の性格って結構似ている気がする。


さて、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』ですが、この本の裏表紙に


『村上春樹のメッセージが君に届くか!?』と書いてあるくらい


この本はメッセージ性の高い作品なんだと思います。


でも、いちいち取り上げると読書感想文みたいになってしまうww


なので、一つだけ紹介します。(以下、ネタバレ注意↓)


『自分だけの完全な世界』


主人公は無意識にも自分の中に『自分だけの完全な世界』をつくりあげてしまう人物でした。


精神世界っていうのかな。


そこは、金色の一角獣がいることを除けば、人と獣、四季もある普通の街。


ですが、少し普通とは違うところがある。


そう、ここの住人にはみんな「心」が無いのです。


人々は心を持たぬが故、その街には、争いもないし、戦いもない。


実に平和で穏やかな街。人々は安らかに暮らしている。


この「完全なる世界」は、一見、理想郷にも見えるのですが、主人公の影は主人公にこう言い聞かせます。


『戦いや憎しみや欲望がないということはつまりその逆のものがないということでもある。

それは喜びであり、至福であり、愛情だ。

絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。

絶望のない至福なんてものはどこにもない』


だから、この街は間違っている、と。


物語では、この街のことを他にも『世界の終わり』とも言っています。


確かに、心が無ければ、悲しむことも怒ることも無いかもしれない。

けど、反対に喜ぶことも愛することもできない。


何も変わらない世界で生きること。

それは死んでいることと何も変わらない。


私たちの世界はみんながみんな当たり前のように「心」を持っている。

だからこそ、不安定だし、ややこしい欲望やいさかいが日常茶飯事のように起こる。


けれど、それは「心」があれば自然に起こりうること。


心を捨てれば、安らかに暮らせる。

心を持てば、もがき苦しむことになる。


物語後半,

この二択を迫られた主人公でしたが、結局、主人公は、後者を選び、心を捨てないことにしました。


物語の最後で『カラマーゾフの兄弟』の話題が出できて一説が引用されます。


(主人公)『あの本にはいろんなことが書いてある。

小説の終わりの方でアリョーシャがコーリャ・クラソートキンという若い学生にこう言うんだ。

ねぇ、コーリャ、君は将来とても不幸な人間になるよ。

しかし、ぜんたいとしては人生を祝福しなさい』


これは、まさに主人公にも言えるし、私たちにも言える言葉なんだと思います。


不幸と呼べる人生であっても、それは生きていたからこそ不幸であったワケで、生きてきた証拠だ。


みたいなー。(なぜか、急にギャル風ww)


そーいえば、私、昔、兄上様にこれ「面白いよー」って『カラマーゾフの兄弟』を薦められたのにまだ読んでいなかった!!


村上春樹さんも薦めているし、近々読んでみよう!!