こんな風に候補生ではなく『スリジエ』として挨拶できることに実感と小さな幸せを感じます。


先日公式から発表となりましたが、今月31日付けで、スリジエを卒業し、ドリームプロジェクトを退所させていただくこととなりました。



正規メンバーに昇格し活動を始めて間もなく休業に入り、SNSも事務所の意向で休止することになったため、突然の公式からのお知らせに当時は驚かれた方もいらっしゃったかと思います。ご心配をおかけしたこと、申し訳ございません。


休業の理由としては多忙な日々と精神的負担が多かったことにより心身のバランスを崩してしまい、首元が複数箇所腫れるなど体に異常が見られたことでした。当時すぐに病院で検査を受け、医師の判断で療養をすることとなった為、今までお休みをさせて頂いておりました。


検査などもしっかり受けたことで原因も分かり、今は保育士もアイドル活動からも一旦離れて、ゆっくりと自分のペースで療養をしており、少しずつではありますが、穏やかな生活に戻りつつあり、回復に向かっております。


朝から晩まで『保育士とアイドルの二刀流』として正規メンバーを目指した日々。当時は週の中に全く休みを入れずに走り続けてきました。


掴んだ『スリジエの正規メンバー』としての活動も、全うしたとは言えない悔しさはありますし、それ以上に応援してくださったファンの皆様の期待に応えられていないことに悔しさが正直あります。

きっと、まだ正規メンバーとしての私を見れていないファンの方もいらっしゃると思います。

晴れ姿を披露することでひとつ恩返しができたらと思う気持ちは変わらないのですが、体が思うようにいかないことと、スリジエの活動休止決定が重なり、卒業する選択をいたしました。

この休業を経験し、長い人生では予想もしないことが起きることもあり、またそうしたくても思い通りにはならない現実もあるのだと痛感しました。

『もう走れない』『もう立ち上がれない』

今まで何度思ってきても、どうにか立ち上がってきたのに。

それが叶わない現実も起きるのだと突きつけられました。


ですが、この立ち止まった期間があったからこそ、大切な自分自身と向き合うこともできたかなとも思います。



正直DJ、候補生、正規メンバーと経験をし、『楽しかった』というよりも、『苦しかった』『辛かった』という気持ちの方が印象に残っていて、ステージはもちろん、ステージ裏も含め、苦労は計り知れないものがありました。

ですが、その中でも平日夜の定期公演ではたった2人、もしくは3人で候補生のライブをしたことも多くあり、その日々は苦しかったけれど、候補生の仲間とピンチを乗り越えて励まし合いたくさん泣いて笑ったこと。とても印象深く大切な思い出として残っています。

何人かのファンの皆さんが直接候補生を励まし、声をかけてくださったこともあり、感動で泣きそうになりながらライブしたこともありました。
私に向けてくれた気持ちが嬉しくて、MCで笑ってくれたことが嬉しくて、アイドルとしてステージに立つことが楽しい日々ももちろんありました。
その『楽しい』を一緒に作ってくださったのは、紛れもなくライブやチェキ、撮影会、オレンジサイリウム…と、同じ時を共有してくれたファンの皆さんでした。


ここまでたくさん頑張ってきたのに、涙して堪えてきたのに、正規メンバーとしての活動が思うように続けられなかった自分自身に悔しさがあったり、さまざまな気持ちがあることを受け止め咀嚼しきるまでにはやはり時間がかかり、自分自身を責めてしまうことが多々ありました。


休業中はたくさんたくさん涙を流して、苦しんで、卒業を決めるまで過ごしてきました。


それほどまでに私の中で『スリジエ』の活動は保育園の先生と同じように大部分を締めていることであり、真剣に真面目に取り組んでいたことでした。


このような形ではありますが、卒業の日を迎え私は一つ気づけたことがあります。

それは
『自分をもっと褒めてあげよう』ということです。

たくさんたくさん頑張ったわたしを、自分自身がたくさん褒めてあげないといけない。
責めることや悔しむこと、苦しむことは現役時代も休業中もたくさんたくさんしてきました。

アイドルとしては、生誕祭や卒業式もできなかったし、候補生として活動した期間のほうが長かったし、思い描いたような活動はできなかったけれど。
いろんなことに対して悔しさは残るけれど。


それでも私はちゃんと、3年間アイドルでした。

ファンの皆さんが応援してくれたからこそ、私はアイドルとしてステージに立っていました。
誰が何を言おうと正規メンバーまで昇格したし、メンバーの一員としてステージにも立ちました。
思うようにいかなくても、華麗でなくても、その期間がたとえ一瞬でも、たくさん頑張ってきたのです。


その期間や活動の中では当然、時代の流れや変化もあるのと、自分自身の変化もあるのは自然なことであり、たくさんこうだったらよかったなとか、こんな時代を知りたかったなとか、考えたら尽きないのですがら、今はこの3年間の目で見た景色や経験が、私だけが経験した唯一のアイドル人生であり、宝物です。

その3年間に携わってくださったすべてのファンの皆さんにはとても感謝しています。



何か目標や夢に向かっていくときに、当然思い通りにはならないことや、失敗すること、報われないこと、悔しくて惨めな思いをすることがあります。

この先もきっとあるかもしれません。

ですが、またひとつ強くなれたと思うので、長い目で見たときに、この『スリジエ』として生きた時間を自分の魅力に変えられるような、そんな生き方をこれからは選んでいきたいなと思います。


たくさんたくさん悩んで考えた今が、描いた景色を超えて、明日の景色を変えて行くことを信じて。

置かれた場所で咲く努力をするのも大切だけれど、それと同じように綺麗に咲ける場所も選んでいきたいし、これからはそうやって自分が輝ける場所を選んでいこうと思います。


担当カラーであるオレンジは、私の中でとても思い入れの深い色になりました。
ポカポカしていて暖かみあるこの色の光。
ステージデビューした日や、落ちサビ。
誕生日や入所祝い。たくさんファンの方が私に向けてくれた特別な色です。

たくさんのオレンジも嬉しかったけれど、会場にたった一つ光っていたオレンジも私の中でとても印象に残っていますし、今でも私の希望です。

どんな時も、どんな理由であっても、その時私にかけてくれた気持ちや言葉、時間、そしてサイリウムのオレンジの光は、この先私がアイドルでなくなったとしても変わらず生き続けるみなさんが残してくれた希望です。


最後にDJ、スリジエ候補生、そしてスリジエと花田菜穂を応援してくださり、見守ってくださりありがとうございました。
たくさんの愛や時間をありがとうございました。
卒業していった先輩メンバーも含め、私にたくさん構成を教えてくださった仲間にも感謝の気持ちでいっぱいです。


スリジエの衣装や、メッセージ性が強く、美しくもかわいくもある楽曲が好きで、今でも曲を聴くと心が動かされます。

人生の中で歌を聴いて心動くことがあることがとても幸せなことだと思うので、私の一部分としてこれからも大切にしていこうと思います。


みなさんの目にどう映っているかわかりませんが、私にとって休業したことは、すごく前向きに次のステップに踏み出す準備をする素敵な時間だったと今はそう思えます。


私はこれから、自分の胸に手を当てて選びたい今を大切に紡いでいきながらもっともっと笑って、幸せになります。


だから、皆さんもたくさん笑って幸せな今を歩んでください!


最後にアイドルとして頑張った私自身に卒業証書を贈ろうと思い、衣装と共に写真を撮りました。


『やれなかったら、やろう』
『卒業のお祝いの場がなければ、つくろう』
と、頑張った自分にありがとうの気持ちを送りたかったのとこれで踏ん切りをつけようという気持ちです。

前向きに捉えてくださったら嬉しいです。


スリジエは活動休止になりますが、色んな思いを胸に頑張るメンバーに変わらぬ応援をよろしくお願いします。




わたしへ

『スリジエ昇格おめでとう!たくさん頑張ったね!そして、スリジエ卒業おめでとう。これからはもっと笑って、楽しく、幸せになろうね!!』



本当に、3年間ありがとうございました。
みなさんにこれからもたくさん幸せが訪れることを願っています。



2023.8.31    スリジエ 花田菜穂