7月7日ぐらいから全国的に猛暑が始まったようで、熱中症の症状で病院に搬送される人が相次いでいる。7月7日には、689人もいたという。全く残念なニュースで、暑い夏がますます暑苦しくなってしまう。時節柄、振り込め詐欺と熱中症患者のニュースは勘弁してもらいたいものである。


しかし、一方で私が歓迎する熱中症の人たちもいる。例えば、ある科学者が自説を証明するための実験をしていたら、熱中のあまり時間が経つのも忘れて、気が付いてみたら3日3晩一睡もしていなかったというような熱中症である。そのような熱中症患者が全国でバタバタ倒れたというなら、ニュースとしてはある意味でおもしろいと思う。


そう言えば、7月7日にオーストラリアで行われたマラソン大会で、あの川内優輝選手がアフリカの選手たちと競り合いながら優勝したという。彼は見るからに熱中症というか熱血派だが、今回は文字通りの熱中症にはならなかったようでその意味でもよかったと思う。


従って、もし冒頭のニュースが下記のような内容だったとしたら、印象は随分変わってくる。


①.広場でサッカーをしていた少年が病院に搬送されました。夜通し、キックの練習をしていたそうです。絶対にキーパーが取れない2段階変化シュートの練習をしていたといいます。無回転 → カーブとか、シュート → 無回転 です。


②.企業の工学研究所で研究者が倒れました。空陸両用車の研究をしていたそうです。自動走行車の研究をしているうちにシステムが危険を察知した時には、自動車を停止させたりハンドルを切るのではなく、自動車をジャンプさせた方がより安全だという結論に辿り着いたそうです。飛行機のヘリコプター化がオスプレイだとすれば、こちらは自動車のヘリコプター化ということになる。


③.大学の工学部の研究室で研究者が倒れました。電気を送電線ではなく無線で送電しようと研究している人だそうです。このようなことが理論的に可能であるかどうかはわからないが、もし実現したら時代を変えることは確実である。


私が思うに、これこそアベノミクス第5の矢なのであり、安倍首相が言われるようにわが国が再び世界一の国に復帰し、アベノミクスを完結させるためには、時代を突き破る熱中者の出現が必要なのである。因みに、アベノミクス第4の矢が財政再建であるのは言うまでもない。


ところで皆様は、ここでもし安倍首相が政治の熱中症で虎の門病院に担ぎ込まれましたというニュースが入ってきたら、どのように感じられるだろうか。安倍首相は自ら先頭に立って具現してしまうかもしれないのである。


きっと、夢を見続けるというのは人間の1つの才能なのだろう。