暗くて狭い通路を他の客にぶつかりながらも自力で脱出した伊丹市内の会社員の男性(37)は、室内のソファベッドでテレビを見ていたときに、木が焦げたようなにおいに気付いた。「うわー、なんやこれは!」。店員の叫び声が聞こえ、驚いて扉を開けると煙が顔まで一気に上がってきたという。
個室ビデオ店から救出された客らは大阪府内の7つの病院に救急車で次々と運ばれた。天王寺区の大阪警察病院には、Tシャツだけを身に着け、すすで顔が黒くなった40歳ぐらいの男性が運び込まれた。意識はなかったが、気道を確保して呼吸できるようにすると、呼びかけにうなずくようになった。東淀川区の淀川キリスト病院には38歳と32歳の男性が運ばれ、うち1人が「爆風を受けて目が痛い」とうめいた。
救助を指揮した大阪市消防局の木村雅之警備方面隊長は「こんなに死者が出た現場は初めて。狭い店内に充満した煙で、逃げる暇もなかったのではないか」と厳しい表情で話した。
立ちこめる煙で何も見えない。あまりの熱気に出火場所とみられる店内奥へは近づけず、いったん撤退を余儀なくされた。救助されたのは入り口近くの個室にいた客だけだった。鎮火後、消防隊は施錠された個室のドアをたたき壊し、部屋に飛び込むと死亡した人はほとんど室内のソファベッドに横たわったまま。外傷はほとんどなく、顔が黒くすすけていたという。
ZAKZAK 2008/10/01
だって、ひどい作りだもんね。