今年1~3月の日本経済は成長が加速していたことが、内閣府が16日発表した国内総生産(GDP)速報でわかった。  輸出と個人消費が貢献し、物価の動きを除いた実質GDP(季節調整値)の成長率は前期(2007年10~12月)に比べて0・8%、年間に換算すると3・3%と前期(2・6%)を上回り、3四半期連続でプラス成長を確保した。ただ、米国経済の減速などの影響で、今後も順調な成長が続くかどうかは不透明だ。  07年度の実質成長率はこれで1・5%となり、政府の経済見通し(実績見込みで1・3%)を上回った。  ただ、消費者や企業の実感に近い名目の成長率は0・6%で、政府見通し(同0・8%)を達成できなかった。名目成長率が実質成長率を下回る「名実逆転」は、10年連続となった。  1~3月の年率換算は市場の予想(2・9%)を上回ったが、大田経済財政相は記者会見で「先行きは慎重に見なければならない」と述べ、景気が足踏み状態にあるとの認識に変わりはないと指摘した。  1~3月期の実質成長率の内訳をみると、輸出が前期比で4・5%と高い伸びを示した。米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題が深刻な米国向けは減少したが、好調なアジアや欧州向けが全体を押し上げた。輸入は2・0%増で、輸出から輸入を差し引いた「外需」の成長率への寄与度は0・5%と高かった。  個人消費は0・8%増と堅調だった。所得の状況を示す「名目雇用者報酬」が前年同期より1・4%伸び、国内旅行などが好調だった。  一方、設備投資は、0・9%減と3期ぶりにマイナスに転じた。機械設備の投資が低調で、米国景気の減速などを反映し、企業は設備投資に慎重な姿勢を強めている。  名目GDPの成長率は、前期比0・4%(年率1・5%)と2期ぶりのプラスだったが、実質成長率を大きく下回った。 (2008年5月16日09時09分 読売新聞)  経済が成長するって景気が上がるってこととは違うんですか?