歩行補助ロボ | 夢日記
    歩行補助ロボ 夢へ一歩 自分の力で地面けりたい 福岡県小郡の会社、大学と共同開発
     自分の力で地面をけりたい‐。歩行障害 のある人たちのそんな願いを叶(かな)えようと、福岡県小郡市の福祉機器会社と、東京理科大(東京)のグループが、歩行補助ロボットを共同開発した。同市の福祉施設 では試行テストが始まり、障害者と開発者双方の夢の実用化に向け“第一歩”を踏み出している。 (小郡支局・田中直子)


     ●福祉施設で試行開始
     小郡市大板井にある身体障害児通所施設「こぐま学園」。腰に四輪付きの器具を装着した男の子(5つ)の足が、シュッ、シュッという空気音とともに上下し、前に進み始めた。男の子は生まれつき足の筋力が弱くまだ歩けないが、約30分間、自分の足で立ち地面をけった。

     「アクティブ歩行器」と名付けられた歩行補助ロボット。4つの車輪と靴が一体で、空気で伸縮するチューブ状の「人工筋肉」が付いている。空気圧縮機を手元で操作すると人工筋肉が伸縮し、靴を履いた足が動く仕組みだ。

     共同開発したのは同市の「ハートウォーカージャパン」(入江和隆社長)と、同大の小林宏・准教授。同社が製造販売している歩行補助器と、小林准教授が開発した人工筋肉を合体させたもので、入江社長は「病気やけがで自力歩行が困難になった人が、歩行の仕方を取り戻すためのリハビリ用機器などとして普及させたい」と話す。

       ◆   ◆

     入江社長には、脳性まひで両足が不自由な二女(22)がいる。「娘に自分の足で立ってほしい」。そう願い、脱サラして会社を起こした。英国の歩行補助器開発会社と契約を結び、日本での製造販売を始めた。

     「日本の情報技術(IT)や自動車技術は日進月歩なのに、福祉機器の開発は遅い」との思いも根底にあったという。

     機械工学が専門の小林准教授は、顔の表情を出すロボットを開発し有名になったが「娯楽的なものだけでなく、人間に役立つロボットを」との思いも募らせていた。

     3年前、大阪市であった福祉機器展示会で2人は出会う。「技術を福祉の分野に役立てよう」と意気投合。開発をスタートさせた。

     アクティブ歩行器が試行錯誤の末に完成したのは今年3月。利用者の体形や障害の程度により微調整が必要など、まだ実用化への課題は多い。

     「利用者の声を聞き、よりよい機器に仕上げたい」との小林准教授の提案で、5月、入江社長の二女が通ったことのある同園に貸与したという。

     同歩行器の使用には、今のところ入江社長の立ち会いが必要で、次回の試行テストは7月の予定。入江社長は「障害のある子どもたちの協力を得て性能を少しずつ前進させ、何としても実用化したい」と、夢に向かって歩き続けている。
    西日本新聞より 
     すごいねぇ。これで少しでも歩くことに喜べばいいですねぇ。