協会に当てつけ 代表たった13人

 オシム監督が日本サッカー協会に“先制パンチ”を食らわせた。トリニダード・トバゴ代表との親善試合(9日、国立)に挑む日本代表メンバーが4日に発表されたが、イビチャ・オシム監督(65)が選んだメンバーはわずか13人。クラブの試合日程と重複するため千葉、G大阪、鹿島などから思い通りに選手を招集できない不満を、13人という変則招集で日本協会に当てつけた。オシムジャパンにとってはドタバタの船出となった。 日本代表メンバー

 オシム監督に促されてメンバーを発表した田嶋専務理事の表情は苦渋に満ちていた。GKの川口からFWの田中達までリストを読み上げると「以上、13人です」と締めた。予定より10人も少ない人数にどよめきが起きる。その中で指揮官だけは“さあ、どうしますか?”と言わんばかりに涼しい顔で周囲を見渡した。

 「13人でも試合はできる。少ないと言うが、この13人をどうして信用しないのか?」と切り出したオシム監督は「(私は)代表の監督になったばかり。代表強化の日程に影響を及ぼすことはできないし、各クラブの活動にまだ口出しもできない。各クラブの日程、A3、代表という3つが重なってしまった」と続けた。指揮官が遠回しに伝えたのは、トリニダード・トバゴ戦にオシムイズムを知り尽くす千葉と昨季の優勝チームであるG大阪から選手を招集できないことへの不満だ。

 日本協会はA3チャンピオンズカップに参加している千葉とG大阪からは選手の招集を見送るようオシム監督に要請。同時に中国遠征中の鹿島への配慮も求められた。だが、千葉、G大阪には巻、阿部、加地ら有力選手が多い。間にリーグ戦を挟むとはいえ、1週間後の16日にはアジア杯予選のイエメン戦が控えている。当然、指揮官は初戦からベストメンバーの編成を目指した。

 オシム監督は代表発表を1日から4日に変更してまで千葉、G大阪からの招集に固執。だが、ついに日本協会の方針は覆らなかった。「本来、代表はクルクルとメンバーを代えるものではない。トリニダード・トバゴ戦、イエメン戦は基本的に同じメンバー。全体では20人ぐらいになるだろう。2試合をこのメンバーで戦う。大事なのは一緒に集まることだ」。2試合でメンバーを変更したくない意向のためリスト外の代替要員を招集するつもりもない。呼びたくても呼べない千葉、G大阪などのメンバーをリストから外した結果が「13人」という異例の代表発表につながった。オシム監督の日本協会に対する露骨なまでの反抗であり、駆け引きでもあった。

 結局、一両日中にも選手を追加招集することが確認されたが、何人追加するのか、A3組を呼ぶかどうかは不明のまま。川淵キャプテンは「13人とはビックリした。簡単には妥協しないというオシムさんの姿勢の表れだろう。オシムと田嶋の信頼関係で最終決定を待つしかない」と困惑気味に話した。16日のイエメン戦には希望通りに選手を招集できるが、オシム監督が求めるのはあくまでも初戦からのベスト布陣。日本協会が大幅譲歩しない限り、このままでは6日から13人だけで代表合宿をスタートせざるをえなくなる。

スポニチより


 これくらいの事してくれると、面白いですね。