音

耳が痛いなぁ

なんか聞こえにくくなったなぁ

年なのかなぁ

肩こりのせいかなぁ

私の頭はいつもダメな所を

探すのが得意だった。

イマココプログラムに参加して3日目

今この瞬間を味わうのが

まだスタンダードではない私は

すぐ現実のペースに流されそうになる。

焦りが出て最初から感想を書かなきゃと

血迷いそうになる。

人よりいつも遅れると

エゴキンマンが暴れそうになる。

配信でイマココを感じている人達の

素直な体験を聞くと、なんて素敵な文章を

紡ぐのだろうと清々しい気持ちになる。

わたしももっと感動したいと思う。

それと同時に私は感動の涙すら出ないと

昔の自分が設定した『冷血人間』

というワードが頭をよぎる。

そして「涙は大事な時に

とってあるんじゃない？」

と慰めてもらった過去を思い出す。

次の瞬間、3日前あんなに怒って

ひとしきり泣いてたじゃないか

と思い出す。

あれ？私感じられてる

そう思った瞬間。

何も考えず、ただただ

今に身を任せたら

音が心地良く

耳に伝わってきた。

電車が通り過ぎる音

高架下を走る車の音

走るバイクのエンジン音

誰かが持つ買い物袋が

歩くたびにカサカサと音を立てる

肌に風を感じながら

ペダルを漕ぐタイヤのカラカラ回る音

あぁこんなにも日常は音に

溢れてたんだ。

素敵だなぁ。

自転車を漕ぎいつもの道を

走ってるだけなのに

なんか幸せだった。

感じられている

感じられている

私の耳は最高に感じられている

鍵を開ける音

お茶がカップに注がれる音

目を閉じてサクサクとした

ロースカツを堪能する

いろいろな音をキャッチできる

この耳が嬉しい。

あぁ幸せだ。

こんなに美味しかったっけ？

今度はもっと見てあげよう。

今まで食べる事も

移動する事も

スマホを見ながら

何かをしながら

一つ一つを味わって

なかった事に気付く。

だって何かしなくちゃと

思った瞬間、さっきまで

五感で味わっていたお茶を

流し込むかのように

一気飲みしようとしてる。

まるでただ作業をこなすかのように。

今この瞬間世界が終わるとしたら。。。

私はもっともっと味わいたい。

この豊かな地球を。

感じられるこの肉体を。