春の鎌倉を友達に誘われてぶらりと散歩。
円覚寺と東慶寺を参拝し、ビーフシチューでランチをとったあとに訪れたのは建長寺。
鎌倉に行くときは、気が付くといつも足を運んでいる好きなお寺のひとつ。
建長寺に着いてみると、門前に屋台がずらりと並んでいる。
ゆるキャラらしき着ぐるみもいて、子どもに取り囲まれている。
「海の子ホヤぼーや」という名前らしく、この写真ではわからないけれど剣はサンマ、ベルトはホタテだ。
屋台がどれも美味しそうで、ランチ直後でなければ焼き牡蠣とか食べたかったなぁ。
復興支援気仙沼屋台祭りが開催されていて、復興屋台村気仙沼横町ができているのだそうだ。
建長寺の境内に入り、お参りをしようとお堂に行くと、そこでは追悼チャリティコンサートが開催されていた。
コンサート後に義援金をおさめると甘酒とがふるまわれ、ステッカーがいただける。
私は甘酒もいただいたが、友達は甘酒は断りステッカーだけいただいていた。
フルートやピアノ、津軽三味線、中国の琵琶などの生演奏と歌で、ユーミンの「春よ こい」や平原綾香の「ジュピター」や「津軽小原節」「津軽じょんがら節」、「花は咲く」、中国の古曲などが披露された。
一日に何度か、チャリティーライブと震災の語りべのお話が交互に開催されていたらしい。
演奏されている後ろのモニターでは震災や津波の映像が流れ、海外からの観光客が大勢訪れていたが食い入るように見入っていた。
お堂の壁一面に震災の写真が展示されている。
見たことのない写真がいっぱいあって、一枚一枚丹念に見て歩く。
お堂を出ると人が集まっていたので行ってみたら、岩手の女子高校生たちによる奉納鹿踊が披露されている。
元気のいい掛け声、威勢のいい太鼓の音、最後に顔を覆っている布をめくりあげて顔を見せてくれたが、みんな顔が真っ赤で汗びっしょり。
追悼コンサートが行われたお堂の入り口にあった「追悼・復興祈願祭」のお知らせ。
開催日は、きょう3月11日。
鎌倉にあるいろいろな宗教が宗教の壁、宗派の壁を越えて一同に集まり祈りのリレーを行うそうだ。
場所はカトリック雪ノ下教会大聖堂。
この日、建長寺で開催されていたものも、この追悼・復興祈願祭の関連行事らしく、長谷寺では万灯会が開催されているようだ。
祈りのリレーは、キリスト教(カトリック)→鎌倉市仏教会→神道→建長寺→キリスト教(プロテスタント)→鎌倉市仏教会・・・という順のようだ。
最後には各宗教が一堂に会した式典があり、震災の起こった14時46分には鎌倉市内の仏教寺院、教会が一斉に鐘を鳴らすそうだ。
宗教は違っても、思いは一つ、心は一つというのが感じられて胸が熱くなった。
今回一緒に鎌倉を訪れた友達のご主人が気仙沼の出身で、何年か前にお母さまを亡くされたのだが、そのお母さまの眠るお墓も流されてしまったと震災後に聞いていた。
私は実際に被災地を訪れたことがないのだが、彼女はご主人と共に震災後早い時期に気仙沼を訪れている。
親戚や兄弟は無事だったが、同級生が何人か亡くなっているそうだ。
お堂に展示されていた写真の中に、津波で流されてしまった墓石が一か所にまとめて置かれている写真があったが、彼女がどんな気持ちでこの写真の数々を見たのか、何も言わず何も聞かずただただ無言で眺めていた。