プレリュードは優しい音色で1 | アマチュア作家狛江大和の恋愛論

プレリュードは優しい音色で1

ーー彼女出来たんだよねーー

その一言が、アタシの中の何かを変えたーー


アタシとアイツの腐れ縁は小学生の時から始まったんだ
転校してきたアタシの家が、たまたまアイツの家の隣だったから
だから、自然と親交が深まっていったんだと思う
種をまけばやがて芽が出るように、庭にハチミツをまけばアリくん達がうようよ集まってくるように、政治家がお金をばらまけば汚職で捕まるように、それは本当に自然な事だったんだよね
もしかしたらアタシとアイツの両親が、アメリカ人なみに外交的な性格を宿していたから、って言う要素も多分に関係していたのかもしれないけれど

まあとにかく、アタシとアイツはいわゆる幼なじみって関係だったわけね
同じ中学、同じ高校、おまけに同じ大学と…
信じられる?
お前はストーカーかって言うくらい長い間一緒なのよ
さすがに就職先は違ったけど、でも同じ業界
たまに顔を合わせる事だってある
もう見飽きてるくらい馴染みの顔なのにね
多分アイツが犯罪に手を染めて逃亡したとしても、アタシは完璧なモンタージュを作る自信があるわ

改めて考えてみると、アタシはアイツの事なら何でも知ってるのよね
好きはものは犬とゼリーとピアノで、嫌いなものはグリーンピースとフランス映画と小さな虫
ちなみにアタシは犬よりは猫、ゼリーよりプリン、ピアノよりヴァイオリンが好きだから、好みはまったくの正反対
アタシはお酒強いけど、アイツは弱い
そのくせ最近は近くの店に足繁く通っちゃって、なにカッコつけてるんだか

アタシはアイツの性格だって良く知ってる
お人好しで、ちょっと間が抜けてて、女心に無頓着で、それにーー

アイツと一緒に出掛けたりすると大変なんだ
ホントに
あの時だってーー



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