先日購入した本のもう一冊。
『君の顔では泣けない』
朝、鏡には見覚えのある女が映っていた。同じクラスの水村だ。
高1の夏、坂平陸はひょんなことから同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。
そつなく陸を演じるまなみに比べ、まなみとして振る舞えず落ち込む陸。
元に戻れぬまま女性として直面する結婚、妊娠、出産。
そして、元の自分の家族の死にも直面する。
体はまなみだから葬儀に参加するわけにもいかない。
物語はまなみになった陸視点で様々な問題や葛藤が描かれてます。
まわりの人たちは実際どう思っていたのか。
入れ替わると人が変わったとか違和感はなかったのか。
いつ元に戻れるのか戻れないのか。
リアリティある描写が凄い。
アナザーストーリーとしてなまみ視点もあります。
そつなくこなしてるように見えているが、実際はまなみも・・・。
私たちは皆、生まれる場所も時代も性別も肉体も選べない。
その中で困難や不安とどう向き合いどう折り合いをつけどう人生を歩んでいくのかという普遍的なテーマ。
色々な事を考えさせられる作品でした。
映画化も決定しているので観ようと思います。
なんとなくNetflixな気がする。