地球温暖化を招かないエネルギー供給のため、日本周辺の洋上に巨大な風力発電所を浮かべて海水から水素を作り、陸に運んで燃料電池向けに使う―。
こんなアイデアを国立環境研究所 の植弘崇嗣(うえひろ・たかし)上席研究官らのチームがまとめた。
東京で開かれる同研究所のシンポジウム
で12日発表する。
船の航行や漁業への影響が少ない沖合の海を有効利用し、枯渇が避けられない化石燃料への依存から脱却するのが狙い。
試算では、建設などに要するエネルギーの7倍のエネルギーを、水素の形で得られるという。
構想の風力発電所は、長さ1キロ、幅500メートルの超大型浮体構造物(メガフロート)。
潜水艦のような細長い浮きで支えた、いかだ状の骨組みに、5000キロワット級の発電能力を持つ大型風車を数基から10数基並べる。