レトロゲームの名作「ファミコン探偵倶楽部・消えた後継者!」(総監督:横井軍平、脚本:坂本賀夫)について書く。ファミ探シリーズについては、同作が第一作に相当するわけだが、時系列的には第一作が後であり、かつ完成度が高いのが同作であるためこのような形態をとることに致します。今回もファミ女子部のお二人、ともしびさんとほうすけさんのお二人から動画を拝借する形で話を進めて行きます。難易度においても、第二作に比べ格段に高いため、お二人が手間取る一幕も多く見られます。前回はファミ女子部の“デニス•ベルカンプ“•ともしびさんがプレイヤーでしたが、今回は“ティエリ•アンリ役 のほうすけさんがプレイヤーを務め、ともしびさんはサポート役に徹することになります。






物語の舞台はバブル期の昭和63年(1988年)主人公の男性は、見知らぬ中年の男性に抱きかかえられていた。少年の身に何が起こったのかは不明だが、頭を強く打っており、一切の記憶を失っている模様だ。中年の男性は、少年を一旦、自宅に連れて帰ることにした。本来であれば病院に連れて行くのが常識的なのだとおもうが、容量の関係等からそうした模様はあえて省かれているのだと思う。小木茂光さんに似た中年の男性は天地という名で年の頃は30代後半から40代前半と言ったところで、どのような業かは定かではないが年齢的には最も脂が乗り切っている年頃でできる人という印象だ。天地さんの自宅マンションは少年が倒れていた海上の崖から程近い大里市の海沿いにある。台詞の表記が基本的に平仮名表記のため、ほうすけさんは王里志に聞こえると話す。天地さんによると、崖の前を通りかかった際、草叢の中に倒れていたため、慌てて救命措置を施したのだと言う。少年は九分九厘、何らかの形で崖の上から転落したものと見られるが、それが純粋な事故なのか何者かに突き落とされたのかはわからない。実際、少年が頭に手をやると傷跡は生々しく激しい痛みが走る•••。ただ、転落した場所が海ではなく草叢だったことは不幸中の幸いだ。天地さんは、気さくな人で、困ったことがあればいつでも家に寄ったらいいと励ました上で、何か思い出せることがあるかもしれないから、一度海上の崖に足を運んで見たらどうかと助言する。天地さんの言う通りで、何より自分自身の名前と身元に関する記憶だけでも取り戻す必要がある。いつまでも天地さんにお世話になるわけにもいかないからだ。

事故現場である海上の崖は、天地さんの自宅マンションから、海沿いの国道を挟み、距離にして10分もかからなかったが、少年以外に人気はなく、静寂とある種の畏れが辺りを包んでいる。お二人のやりとりにもあるように、ミステリー作品において、こうした断崖絶壁の崖というのは“お約束“で、生と死が隣り合わせにあるような舞台設定が物語に花を添える形を作っている。海上の崖のモデルとなったのは、茨城県の五浦ではないのかな?! ドラマ「砂の城」の舞台ともなった•••。

少年は、以前のエントリーで取り上げた、少年探偵の水木しげるだと思われるが、少年は事故の後、自身の氏素性一切の記憶を喪失しているため、現段階では少年と表記することにします。そう言えば、後ろの少女のラストでしげる少年は日本を代表する財閥・綾城家から依頼を受ける一幕があったわけだが、少年の転落事故は綾城家と何か関わりがあるのだろうか・・・?!

少年が倒れていた草叢は、崖の上から4〜5メートル程度で、草叢がクッションの代わりになる格好となった為、致命傷を免れた格好だ。仮に転落場所が反対側の海だったとすると、今頃少年は死体となっていただろう。ただ、容量の関係からだろうか、画面を見る限り草叢と海との距離は左程違いがないように見えるが・・・ 海上海岸は静寂と波の音だけに包まれていたが、少年が耳を澄ますと崖の上から誰かの声がする・・・?! 声の主は少年と同じくらいの年齢の女の子で、顔見知りなのだろうか?! 少年に向け、激しく手を振っている。

仮にあの女の子が少年と顔見知りであれば話は早い。事故原因云々以前に、自身の身元がわからなければどうにもならないのだ。

少年が崖の上に急いで駆け上がると、その女の子から「何故、連絡をしなかったのか?!」と咎められた。文脈からも、その女の子は少年と顔見知りと思われるが、記憶を失い、笑顔で返すことさえできないことがもどかしい。ファミ女子部のお二人は、この女の子はあゆみちゃんではと話していたが、その考えはズバリで、女の子は自分は同じ空木探偵事務所の助手で、橘あゆみだと名乗る。あゆみちゃんの話しぶりからも、この物語が「後ろに立つ少女」の延長線上にあり、少年(水木しげるとはあえてまだ言いません)とは、これまで相当な場数を踏んできたことが伺える。

やりとりを見ていて特徴的なことは、あゆみちゃんの性格が第2作と大きく異なっている点で、第2作では石橋杏奈さんのような清楚な趣きだったが、助手とて手を携えてきた時間の長さがそうさせるのか、同作では松室麻衣さんのようなツンデレっぽい性格になっている(ツンデレなる言葉は、当時はなかったとは思うがw)。少年は、今この時点でわかっていること、崖の上から転落し一切の記憶を失っていること。崖の上から転落した自分を、この街に住む天地さんという中年の男性が助けてくれたことを話した。あゆみちゃんは、少年を襲った事故について驚いた様子だったが、転落した場所が草叢の上だったことに、安堵の表情を浮かべ、一度事務所に戻るよう少年に促す。

橘あゆみ



   




あゆみちゃんに促され、少年は一度、東京の空木探偵事務所に舞い戻ることにした。事務所のつくりを見ていてわかることは、第2作とは大きく異なり、バブル期の好景気を反映してか、移転させたことが伺える。同時に、同作においては所長の空木は別件にかかり切りの為、作中には登場せず、調査は少年とあゆみちゃんの2人だけの特命になる。あゆみちゃんは、少年と所長の空木との関係は、自分より濃い関係で、少年が幼少時に生き別れた両親を探す過程で身を寄せるようになったのだと話す。

あゆみちゃんは更に、自分が海上の崖に足を運んだのは、少年が手がけている事件で、「ある人物に逢う」ことを事前に告げていた為で、その後、プッツリと連絡が途絶えた為、心配になって現場を訪れたのだと言う。あゆみちゃんが話した、ある人物というのは、少年が手がけている事件の核心に迫る重要人物である為、留意されたし。一方、ファミ女子部のアイスマン•ともしびさんは、大切に飾られている日本人形が気になると好奇心を働かせるが、あゆみちゃんは、先生の大切なものだから勝手に触らない方がいいと少年を諭す。ファミ女子部のお二人は、おいおい先生の趣味かよwと絶句するが、この日本人形は、少年が海上の崖に逢いに行ったとされる“ある人物”と並び、事件の核心に迫るものでもある。単純に少女趣味だと切って捨てることはしない方がいい。一方、アイスマンは、事務所のテーブルに置かれているメモが気になると言う。少年がメモに目をやると、少年の字で「明神村、綾城」と走り書きがされていた。やはり、同作は後ろに立つ少女の延長線上にあり、少年が事故の直前まで調査を進めていたのは綾城家についてだった。そうなると、この少年の名は当然•••

そうなると善は急げで、一分でも一秒でも早く調査に取り掛かりたい少年を、あゆみちゃんは、まず自分の名前を思い出さなければ調査どころではないと諭し、自分の名前くらいなら思い出すことは容易だと促す。そして、少年はやや間をおいて記憶の一部を取り戻す。自分の名前は水木しげるであり、傍らにいるあゆみちゃんは、これまで手を携え難事件を解決してきた「相棒」であり、そして恐らくは、表に出さないながらも、お互いが密かに思いを寄せ合っていたことを••• 同時に、しげるが生き別れになった両親を探し続けていたことを考えると、水木と言う姓も本当の姓ではない可能性があるが••• しけるは、夜明けを待ち、綾城家の邸宅がある明神村へと足をのばすことにした。失われた自身の記憶と綾城家にまつわる事件の謎を解くべく、しげるとあゆみちゃんの新たな歩みが始まった❗️❗️


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