今日は、朝から蒸し暑くて嫌な天気になりましたが、農園でのキャベツの管理をご紹介したいと思います。
西尾農園はキャベツを20株、完全無農薬で栽培していますので、日頃の管理がすごく忙しいです。
農薬を使えば簡単ですが、家庭菜園のポリシーとしてそれは出来ませんので、こまめな管理(虫取り)が不可欠です。
青虫が葉を食べていますので、ピンセットでお母さんが日に2回、虫取りをしています。
徹底的に虫取りをしていますが、次から次へと青虫がキャベツにつきますので、限がありません。
キャベツも少し大きくなってきましたが、ここまで育てるのはたいへんでした。
トレボン等の強力な農薬を散布すれば、こんな苦労もしなくて良いのですが、身体の事を考えると無農薬で作ります。
実際に、スーパーで販売されているキャベツを見れば、穴の一つも開いていない状態ですが、どれだけたくさんの農薬を散布しているかと思うと怖いです。
中国産の野菜の残留農薬が話題になっていますが、日本産もかなりの農薬を散布しています。
環境学の専門家として、キャベツの農薬散布について公表させていただきます。(吾妻博勝氏、著書から「おいしい野菜の本当はこわい話」を参考にさせていただきました)
キャベツの主産地の群馬県嬬恋村では、標高700~1400mの高原地帯に約550軒のキャベツ栽培農家があり、キャベツが良質と言う事で国から指定産地の認定を受けてきました。
そのうち8割の農家が03年から減農薬栽培に挑戦しています。
それまでは、種蒔きから収穫までの約100日間に、1軒の農家が平均39回も農薬を散布。(地域全体で延べ21450回だから、散布された農薬量は相当な量になっています)
それを知ってたら、消費者は飛び上がって誰も嬬恋産キャベツを食べなかったと思うが、しかし、それが軟らかくて甘い高原キャベツの正体です。
それら減農薬を始める前年には、猛毒ダイオキシンを含むPCNB(キントゼンの国際標準名を持ち、ダイオキシンだけでなく発がん性、環境ホルモンの恐れがある事を以前から指摘されていた・・・マウス実験では、肝臓がん、リンパ腫、肺腫瘍などを発症し、妊娠マウスに投与すると腎臓奇形の子が増加した)を違法農薬としりながら散布していました。・・・00年に使用禁止になっている
02年にPCNBが使用された農地は、土壌が今も汚染されている可能性は高く、同じ畑で栽培されたキャベツが今も出荷されている。(PCNBの代謝生成物であるベンタクロロ系物質(チオアニソール、アニリン、ベンゼン)の中には半減期が3年以上もある)
減農薬栽培(5割減)へ方針を変更しましたが、種子消毒を止め、苗に対する殺虫、殺菌剤の散布を4回から2回に減らし、生育中の殺虫、殺菌、除草剤の使用は34回から17回に減らしたので、合計19回だけにしたとの言い分です。
それでも19回も農薬を散布したキャベツが、スーパーで販売されて消費者は、きれいなキャベツを買い求めています。
確かに20株のキャベツを栽培するのにお母さんがピンセットで青虫を退治しても穴だらけになるのに、何千坪単位でキャベツを栽培していると農薬を散布しなければ、まともな野菜も収穫できず、効率も悪くなります。
もし、完全無農薬ならキャベツ1個で1000円以上の収入が無ければ、あほらしくとやってられないと農家の方は仰るでしょう。
198円のキャベツなら手ごろですが、その実態を知ってしまった西尾農園が環境学からの視点で家庭菜園を始めた理由です。