プロのお笑いを、素人が解説するのはお門違いだし、的外れかもしれないですが、オダウエダさんの優勝ネタ「ストーカー」に爆笑してしまった一視聴者として、何処にツボがあったか、備忘の為に記しておきます。

ツボ1: 序盤の裏切り

『ストーカー』は、小田さん(以降、敬称略)がコロッケを食べている所に、植田さん(以降、敬称略)が「可愛いねぇ」とか、「コロッケの断面図を見せて」と絡んでくる所から始まります。更に、植田が小田の写真落として立ち去るので、小田は盗撮されている、ストーキングされているように思われます。
ところが、この後何故か被害者であるはずの小田の方から、ストーカーの自宅を訪ね、勝手に上がり込みます。この行動も小さな裏切りですが、その直後に植田がストーキングしていたのが、小田ではなくカニであったことが分かります(第1の裏切り)。何じゃそれって展開ですが、この時点で断面図が見たいと言った伏線が回収されます。加えて、カニをストーキングするというバカバカしさに、自分は笑っちゃいました。

ツボ2: 最大の裏切り

この後、Bzの「今夜月の見える丘に」が好きなのは「...月の輝く丘に(おカニ)...」という歌詞のせい等のボケが続きますが、この時点までは小田はツッコミ役に徹していますした。しかし次の瞬間、実は小田は植田がカニ好きなことを知っていたと言い出し、終いにはカニ5万匹集めてキューブを作ってきたと最大のボケをかまします。
自分にはこの辺のたたみ重ねが、最大のツボでした。だって、あんた自分がストーキングされて、怖がってたんじゃないの? 相手がカニ好きと分かったからといって、どうやって5万匹も集めたの? キモいと思ってた相手に、どんだけ金つかってんの? と、いつもながらの不条理っぷりに爆笑してしいました。

と、自分には面白いネタでしたが、文章で書かれても面白さは伝わらないだろうし、感性は千差万別だから、つまらないと思う人がいるのも不思議ではありません。正直、自分も「笑けずり2」でオダウエダのネタを観たときは、ぶっ飛び過ぎてて驚いてしまい、笑うまではに至りませんでした。ただ、小道具への拘りを含めて、植田さんが自分の好きを貫いてる感じに好感を持ちました。加えて、「笑けずり2」の中で、小田さんは芸人を辞めてしまいそうなメンタルを見せていたので、この先どうなるのか気になるコンビでした。なので、それ以降そこまでTVに露出していなかった2人が、「The W」で花を咲かせることができて、他人事ながら嬉しかったです。

フワちゃんの気持ちも分かる

 ただ、自分もオダウエダはあくまで2推しで、「笑けずり1」以来、Aマッソの方がより気にかかってました。だから今回、渾身のPM漫才で優勝できなかったのは、かなり残念でした。もし、ネタ披露が最初じゃなくて、オダウエダより後だったら、審査員の印象が違ったかも...と、言ってもしょうがない想いが交錯しました。
 と言っても、2020年大会の1stステージ敗退に比べれば、まだマシです。あの時のPM漫才は鮮烈で、R-1のバカリズムさん以来のインパクトがありました。展開の多さ、画とピッタリ合ったタイミング。とてもよく作り込まれたネタに、ある種の感動すら覚えました。しかし、その直後に、「姉さんは大きな間違いをしているよ~」と繰り返すゆりやんに1票差で惜敗しちゃいました。決してゆりやんがつまらなかった訳じゃないんですが、作り込みの甘さを人間力で凌駕したようなゆりやんに、めっちゃ作り込んで練習を重ねたAマッソが敗退したのが、とても悔しくてたまりませんでした。この時も、Bブロック1本目だったのが災いしたかもしれません。加えて、仮にゆりやんに辛勝しても、次の吉住に勝てたかどうかも分かりません。そのことを考えれば、2021年は最終決戦まで進めたし、票数的に大敗したわけでもないので、仕方ないかなって感じです。ここら辺は、推しとはいえ、他人事ですいません。
 また、2021年の最終決戦でオダウエダに投票したアンガールズ・田中さんと笑い飯・哲夫さんは、2020年もAマッソではなくゆりやんに投票していてました。お二人共、バカバカしさで貫けるネタの方が、お好みのようです。彼らも解説こそ理論派ですが、ご自身のネタはどちらかというとバカバカしさ寄りなので、分からなくもない気がします。一方でリンゴ姐さんは、2020年も2021年もAマッソに投票しているように、審査員の好みが出ている感じがしました。

恥ずかしいから、陰謀論だけは辞めよう

 SNSを検索すると、オダウエダの優勝がヤラセじゃないかという意味不明の投稿が少なからず引っかかります。勿論、思想の自由も表現の自由も尊重しますが、あまりの見当違に、それ自体がボケなのかと疑いたくなります。仮にヤラセだとして、何故オダウエダを無理に勝たせる必要があるのでしょう? ナベプロのAマッソを嫌って、吉本勢を八百長で勝たせるにしても、ネタ後の受答えがうまかった天才ピアニストを勝たせた方が、よっぽど売れやすい気がします。オダウエダは、正直かなりの飛び道具なので、日テレの各番組を一周する際にも、うまく対応できるのか若干不安が伴います。なので、今回の結果でヤラセだと吹き上がっちゃう輩は、未だにトランプの敗戦を信じられないQアノン並にDQNな気がします。もし知り合いがそんな言動をしてたら、面倒くさいから表面上は受け流すけど、内心では最下層にランク付けしちゃいそうです。