伊集院光の「深夜の馬鹿力」。
学生時代から、かれこれ二十数年聞き続けているラジオ番組です。
兎に角、オープニングから数十分続く脱線トークが面白すぎて、録音して毎週2回聴き直している時期もありました。
今や深夜放送を代表とするまでになったこの番組が、少し世間を騒がせています。
それは、2021年3月9日の放送で、伊集院さんがスッタフの失態を"叱った"件です。

ことの詳細は、上の記事などを参照して下さい。
簡単に言うと、伊集院さんは、ADの中途半端な仕事を一旦キツめに叱ったんだけど、その後全く役に立たなかった訳じゃない、ありがとうとフォローしたようです。
この一件に関し、同僚が「出ましたアメちゃん笑」とLineで送り、叱られた当人が「今日はムチきつかった分、アメが甘いっす笑笑笑」と返信したのですが、あろうことか伊集院さんも入ってるグループに誤送信してしまっていたのです。
伊集院さんは、自分の言動が茶化されていることに激しい憤りを感じたようですが、しばらく自分の心に留めておき、3月9日の放送でぶちまけたのです。
伊集院さんとしては、面白話にしてギクシャクを解こうと考えたようですが、言葉の端々に怒りは隠せていませんでした。
自分はこの放送の録音を、9日の日中に作業しながら聞いていいたのですが、途中からそら恐ろしくなって、作業の手が止まってしまいました。
何が恐ろしいって、伊集院さん自身が「人前で叱責する」という「パワハラ」の典型に、気づいていなさそうな所でした。

恥ずかしながら、自分も上司に同様の叱責を受け、すっかり職場での立場を失ってしまった事があります。
しかも、善意で真剣に遂行したことが裏目に出た結果だったのですが、上司には非人道的な人間のように詰られて悔しかったです。
無論、結果として自分に落ち度があったのも事実なので、叱られる事自体は当然です。
ただ、それを大勢の前でやるかと、ケースによっては「パワハラ」になりかねないのです。
なので、3月9日の放送は、当時の事が想起されて、いい気持ちがしなかったのは確かです。

本当にパワハラか?
ただ、放送から1週間以上経って、冷静に振り返ると、「パワハラ」って言うほどか?って気もしてきました。
何故って、伊集院さんが苦言を呈していたのは、自分の気遣いを、陰で「アメちゃん」と茶化していたことだから。
それってそんなにいけない事かしら。
誰しも学生時代、怖い教師や先輩などに仇名をつけたり、彼らの立ちふるまいを、陰で茶化していなかっただろうか。
それに、茶化された事を馬鹿にされた感じるのもいたしかたないけど、自分や同僚に生じた痛みを和らげるために軽口をたたきたくなることもあるでしょう。
勿論、その陰口を誤送信で当人に突きつけちゃうのは失態以外のなにものでもない。
ただ、今回ラジオで晒された失態が、軽い陰口と誤送信だけだとすると、それを公開で叱責されても、人格を否定することにもならないし、ADさんや同僚さんが受けるダメージは殆ど皆無でしょう。
なので、伊集院さんの語り口になんとなくパワハラめいた感じがあったでけで、実際には他愛もない職場エピソードの暴露に過ぎない気もします。

どちらかというと伊集院さんの自爆
なので、今回の件は、結果的に伊集院さんの面倒くささを、広く知らしめる結果を招いた「自爆」にちかい気がします。
リスナーなら散々聞いていると思いますが、伊集院さんは自分自身が作ってルールに雁字搦めになっちゃう面倒くさい人です。
ただ、その面倒くささが、ドラクエウォークやあつ森をするときなどに留まっていればいいのですが、twitterを観ていると、結構多くのリプライにも向けられています。
よくあるのが、何かのゲームについて伊集院さんが呟くので、ファンがアドバイスや自分の体験談をリプライすると、「ネタバレしてんじゃねぇ」「ありがた迷惑だ」「人の気持ちわかんねえ奴だな」といった趣旨の返答がかえってきます。
リスナーなので、伊集院さんの気持ちも分からなくはないのですが、通常の会話を望めないオッサンやなぁとも感じます。
なので、二十数年来の伊集院信者ではありますが、それはあくまでラジオパーソナリティとしてであって、個人的にお仕事はしたら大変なんだろなとは、常々感じています。