1.前提として、謝罪は当然

少なくとも20年近く聴き続けているリスナーからしても、聞いた瞬間に失言と感じました。
風俗通いを公言している岡村さん的には、経験則に基づく体験談なんでしょうけど、不況のときに短期に風俗産業に従事せざる得ない人は、苦境で望まない仕事に就かざる得ない経済的弱者なのは明白。
そんな時に、美人さんを指名できそうで愉しみだなんて、身内が同じ苦境に立たされても、同じ事を笑って言えんの、と思いました。
だからと言って、番組に苦言を呈す行動に至らなかったのは、やべっちの言うリスナーの甘さなのかもしれません。
ただ、週刊誌が取り上げたり、その記事を読んで騒ぐ人がでてくるのも当然の結果。
なので、翌週に逃げることなく、番組をほぼ放棄してまで、謝罪に終止したのには安堵しました。

2. 擁護どころか責め続けたやべっち

リスナー的にエポックだったのは、数年ぶりに登場したやべっちの言動。
ラジオパーソナリティとして、まともに喋れなくなった岡村さんを救いに来たのかと思いきや、まさに責める一方でした。
やべっちが日常目にする岡村さんは、周囲への態度は問題があり、年下のスタッフに対する敬意や、女性の心情への理解が欠けていると指摘。
恐らく、今回の騒動で一番辛辣に批判したのは、やべっちだったかもしれません。
不祥事を起こした相方を、敢えて厳しく叱責する場面は、しばしば見かける光景です。
極楽とんぼの加藤さんも、ロンドンブーツの淳も、相方が復帰できる可能性を探りながらも、公には厳しく接してました。
ただそれらと比べても、騒動の本質が、休養からの復帰以降、甘やかされ続けた岡村さんの性格にあるという指摘は、かなり深刻なもの。
この指摘が100%正しいなら、性格なんてすぐに変えられないから、失言を防ぐには、もう生放送を辞めるしかない。
事前収録か遅延送出システム(Broadcast delay)で、不規則発言に備えるしかない。

もしくは、爆問の田中さんのような、過激な発言を緩和する相方やアシスタントを、採用すべき。
ただ、思い出してほしいのは、この25年で問題になったのって、もやもや病を揶揄した件ぐらい。
ご意見番扱いされて、ネットニュースになりやすい近年でも、ここまで断罪される発言は記憶にありません。
なので、個人的には、同じような舌禍事件が繰り返される心配は、それほどしてません。

ジャネットのコーナーだけは、女性には不快でしょうし、本人に訴えられたら、アウトな気はしますが。

3. 問題なのは、今まで通りはしゃげるかどうか

発言は記事で知り、放送は謝罪回しか聴いていない人には「どこを変えるつもりか分からない」とい映ったようですが、今までの放送を聴いている人には説明するまでもなく、岡村さんの喋りが劇的に変わってしまいました。
こんなこと言うと本当のファンじゃないと叱られるけど、この番組の魅力は、面白いかどうかより、個人的には岡村さんの近況や、素に近い言動聞けることです。
でも、謝罪に終始した最新回では、言質を取られまいとガードを固めた語りで、パーソナリティの程をなしてませんでした。
"甘やかされてる"とは言え、生真面目な部分がある岡村さんは、トラウマを抱えて、イップスにもなりかねません。
その結果、もし今までのような素を出せず、本音を押し殺してストレスをためこむと、再度休養が必要になるかもしれません。

であれば、いっそ深夜放送を卒業するのも手かもしれません。
ANNはコアなファンを集めやすいものの、ギャラも安く、深夜に拘束されます。
役者としての活動を広げるなら、早朝からの撮影に挑みやすいように、まとめ録りが可能な週30分程度の番組に移行する手もあります。
そもそも、ANNはラジオ界を代表する大看板で、旬な役者やアーティストが本音を語ったり、芸人がハガキ職人と笑いを届ける場。
もし、岡村さんが本調子に戻れず、本音も笑いも届けられないなら、後進に枠を譲るのも、大事な役割かもしれません。