正直、政策決定権もなく、感染者の専門家でもない芸人が、バラエティ番組でどんな発言をしようとも、聞き流せばいいんですね。
ただ、「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」が、割と好きだった視聴者としては、ちょっぴり残念。
4/8未明の「爆笑問題カーボーイ」では、全体的には割と慎重に長々と説明していたけど、結局言いたいことは以下の2点。

① 為政者に自由を制限されたくないから「緊急事態宣言」は、出してほしくなかった。

② 新型コロナで、日本は武漢やイタリアやNYのようにはならないと思う。(根拠はないけど)

①に関しては、正直どうでもいいです。
何故って、現行の「緊急事態宣言」で強制できる施策はあまりに限定的で、もっとも大事な移動や集会・密集の制限を、自粛に委ねるしかないかです。
もちろん、日本人の多くは、強制されずとも自粛するでしょう。
でも、陽性と知ってて、Barにばらまきに行っちゃうオジサン(後に死亡)がいるのも事実。
太田さんは熱心に若者を庇っていたけど、それもピントがずれすぎ。
ダイアモンドプリンセス号から下船後、スポーツクラブに行ってから陽性になり、140人程度の濃厚接触者を生んだのも、60代男性。
日本に限らないかもしれないけど、高齢でもアクティブな人は多いし、金持ってる高齢者も盛り場に行きガチ。
年齢に関係なく、未検査で無症状で無自覚な感染者が、人と接触するのを抑えない限り、一定の割合で重傷患者が生じる。
それが、医療的処置を施せる人数に収まっていればいいけど、感染者の増加速度がはやすぎて病床や機器が不足したり、院内感染でマンパワー不足に陥ると、十分な治療を受けられなくなる可能性があります。

でも太田さんは、②のように、日本は武漢やイタリアのようにはならないと主張。
皆さん覚えてると思いますが、これと同じ発言をしてたのが、トランプ大統領。
ところが、今や感染は全米に広がり、特にNY州は武漢・イタリア越えの惨状。
クオモ州知事が、医療崩壊の危機を訴える事態に。
僕も、日本がそうなって欲しくはないし、低め安定の陽性者報告に、希望的観測ももっていました。
ただここにきて、陽性率が上昇。
太田さんは検査数が増えたからと勘違いしてましたが、問題なのは陽性数を検査数で割った陽性率も上がってるってところ。
それでも、日本だけは感染爆発する可能性はゼロと、何故言い切るのか。
やはり可能性がある程度あるのであれば、危機感を持って、とれる施策は講じるべきでは。
クドカンが陽性になった報告で、「まさか自分が、と過信してしまいました。」と発言していたけど、恐るべき正常性バイアス。
自分の生活圏で感染者が発見されていても、何故自分だけは罹らないと思い込めるの?
なぜ、感染爆発して、医療崩壊した国があるのに、日本だけは大丈夫、みんな安心してって発言できるの?
可哀相で仕方ない。
ただ問題なのは、みんな心配するなとは言うけど、「お家にいようね」とか「Stay Home」などの趣旨の発言を一切しないこと。
なので、「太田さんが安心だって言っているから、外出しよう」と解釈するリスナーが居ても不思議がない。
まぁ、そんな言葉に踊らせる方が悪いっちゃ悪いし、TV等の報道に触れていれば、そんな勘違いする馬鹿はいない気もする。
ただ、そもそもTVを持っていない若年層は少なくない
ネットから自分に都合のいい情報だけ拾ってくる彼らが、太田さんの根拠のない楽観論に感化されないことを祈る。
もちろん、その辺の層は、ラジオなんて聞いてないでしょうけど。