この1週間、心が緑に乱れていましたが、海月姫もほぼリアタイで観てました。
ほぼというのは、追っかけ放送で観て、注目シーンをその場でリピったりしてたから。
芳根ファン的には、あまり予備知識を入れたくなかったので、事前には原作を1話読んだだけです。
のんちゃん版の映画は録画しておいて、ドラマの後に比較するために観ています。

ドラマ海月姫の魅力は、芳根京子の圧倒的なヒロイン力と、瀬戸康史の完璧な女装っぷりです。
この2点だけでも、観る価値大です。
この記事でネタバレしてドラマへの興味を削ぎたくないので、ストーリー以外の魅力を書き留めます。

1. 芳根京子のヒロイン力
芳根京子の最大の魅力は、表現力です。
彼女は、表情は勿論、体全体で心情を語ることができる俳優さん(NHK的表現)です。

「表参道高校合唱部!」のヒロイン真琴は衝撃的でした。
初回で真琴は合唱部を再建しようとするも、頭からバケツで水をかけられ、イジメにあいかけます。
それでも前向きで、10秒ジャンプで自分を奮い立たせ、目的に向かう。
田舎育ちの設定なので、メイクは地味め。
なのでファーストシーンでは、何処にでもいる女子に見えましたが、山場では体全体から、懸命さ、ひたむきさ、純粋さが溢れ出て、感情が揺さぶられました。

芳根京子は、役の感情を視聴者に転移できる能力があります。
彼女が笑うと嬉しくなるし、彼女が泣くと悲しくなります。
最も分かりやすい例は、リトグリのPVです。

このPVの彼女は。凄い。
彼女が泣くシーンを見るたび、「誰だ!泣かしたのはっ!」「大丈夫、もう泣かないで」と思っちゃいます。
恐るべき表現力。究極の顔芸。

海月姫でも、この共感を呼ぶヒロイン力が、遺憾なく発揮されています。
田舎育ちのオタク少女である月海は、自分に自身がなく、事あるたびに落ち込みます。
おしゃれ女子や、あこがれの男子、渋谷の人混みにも慄きます。
落ち込みぶりも、打ちのめされっぷりも見事で、月見が悲しむとこちらも哀しくなります。
自然に応援したくなります。
僕自身東京出身ですが、渋谷はいつも気を張って歩いてました。
原宿なんて、ダサいと思われると自意識過剰なまま、逃げるように通り過ぎました。
ここらへんのエピソードが、ジャブ的に挿入されますが、「分かる~ぅ」と思いました。

とにかく、きょんちゃん演じる月海を観て下さい。
映画版ののんちゃんも、ピュアさが魅力的でしたが、背が低い芳根京子の方が、自信なさげな女子にフィットしている気がします。


2. 瀬戸康史の見事な女装
彼の細さと、化粧映えする顔のつくりは見事です。
「女子的生活」では、志尊淳が見事にトランスジェンダーへ化けてます。
ただ「女子的生活」の"みき"は完全に女子としてふるまおうとするのに対し、「海月姫」の蔵之介はあくまで女装がメインで、男であることを隠そうとしない点が違います。
似ているようで、かなり違うキャラの違いは面白いです。
女装した瀬戸康史は、表情によっては本当に可愛いです。
イケナイと思いつつ、不意打ちされるとキュンとしちゃいます。


3. 少し残念な点
原作からの設定ですが、月海の同居人のオタク女子たちが、若干カリカチュアライズされすぎです。

オタクを自認している人は、ちょっと馬鹿にされてる気になりかねません。
とは言え、同居人の一人を演じるは元SKEの松井玲奈。
彼女は、どっちかというとオタクよりの人間です。
自分もバリバリのアイドルだったのに、ラジオでももクロと共演して緊張。
あーりんが嫌がっていると、アイドルスキナ玲奈さんは、身代わりで電流を受たりしてました。
漫画原作ものは、権利意識を振りかざす原作ファンが再現性を要求する場合がありますが、完全再現するくらいなら、そもそもドラマなど見ず、漫画を読んでりゃいい気がします。
もし、ドラマをオタクにも観てもらいたいなら、芳根京子演じる月海なみ、もしくは普段の松井玲奈のように、どこかにいそうなオタク女子を描いてほしいです。

とは言え、濃すぎるオタク女子はコミックリリーフ的にしか出てきません。
なので、基本ヒロイン力が高い芳根京子と、菅田将暉に負けない女装男子の瀬戸康史を観て下さい。
彼等を見逃すほうは、かなり損な気がします。