70代男性、糖尿病で治療中です。少しの期間血糖値のコントロールに苦労していましたが、2年前からインスリンの自己注射を始めてから、コントロールは次第に良くなってきていました。

今日のHbA1cは7.4%とまずまずのコントロールでした。

 

「今日の調子はどうですか?」

「絶好調です。」

「そうですよね、いろいろ苦労もありましたが、ずいぶん安定してきていますね。」

「はい、よかったです。」

「ところで、今日の血糖値は79なんですが、朝ごはんは食べてきていますか?」

「いいえ、食べていません。」

「あれ、それはだめなんです。みなさん、食事を摂ると血糖値が上がって、コントロールが悪くなることを心配するのですが、HBA1cは1ヶ月半の平均値を示すので、直前の食事と関係ないんですよ。」

「そうなんですか。」

「はい。特にインスリンを使っている場合は注意しなくてはいけないんです。食事は食べてから来てくださいね。お願いですよ。」

「はい、わかりました。」

 

糖尿病治療は血糖を下げて目や心臓、腎臓の合併症が起きないようにしなくてはなりませんが、血糖を下げすぎると低血糖が起こってしまいます。

糖尿病の血管合併症の進行は時間の単位が年単位ですが、低血糖の場合は分単位で激しい症状が起こり、かつ低血糖がより重篤な心臓血管合併症などにつながることが分っています。

ともかく、低血糖にならないように治療をすることが大切で、そのために「食事は通常通りに食べて受診をする」ことは忘れないでいただきたいです。

 

本日で今年のブログは終了になります。

日常の診療室での出来事をみなさんにお伝えすることを目的に書いていますが、たくさんのごらんいただき、ありがとうございました。

来年は1月第2週から再開する予定ですので、またよろしくお願いいたします。