我が家にはシュールストロミングが眠っている。

 世界一臭い缶詰といわれているスウェーデンの缶詰である。

 見た目は缶詰だが、厳密には缶詰ではない。

 塩漬けして発酵させたニシンを缶に詰め、フタを締めて密封するが、そのあと加熱殺菌を行わない。

 密封後の加熱殺菌がなければ缶詰とはいえぬ。

 だからこれは、缶入り発酵食品ということになる。

 

 いつかイベントで開けようと、取っておいたものだ。

 発酵が進まぬように冷凍庫で保管してあるが、その状態ですでに3年の月日が経過している。

 はたして眠れる獅子、じゃなかったニシンが起きるのはいつか。

 その日が来てほしいような、あるいは永遠に来なくてもいいような、そんな気がしている。