デジャヴだ。
まさかオレと同じ夢を見るなんて…
あり得ないだろ?
「リューくん?どうしたの、黙って」
「え?あ、オレも同じような夢を見た」
「え?凄い!偶然だね!!
こんなこともあるんだねー!」
こいつは怖がったり引いたりしないのか?
普通同じ夢を見たら怪しむだろ。
まぁ性格が前向きだもんな。
「でもね、あたし夢で見たあの世界、知ってる気がするんだよね」
「んな訳ないだろ?」
「んー、懐かしい感じがしたもん!!
調べられないかな?」
「無理だっつの」
手の甲で軽く雅の頭を叩く。
「ほら、んなことより家に着いたぞ?」
「あ、ホントだ」
気付けば彼女の家の前まで来ていた。
雅は本当にずっと考えていたのだろう。
家に着いた事さえ気付かなかったのだから。
「リューくん、めんどいって言いながらちゃんと家まで送ってくれるよね!」
「…なんだ?嫌ならいいんだぞ?
めんどいからな」
「嫌って言ってないー!!
ありがとね、リューくん」
ニカッとはにかみながらこちらに笑顔を振りまく。
オレは、はいはい、と適当に流すと彼女が家に入るまで見届けた。
その後に力なくそこにしゃがみ込む。
「あいつ…無意識にしてるのか?」
顔、熱いな…
さっきまで赤くなってなかったよな?
「……オレも帰るか…」
立ち上がり歩こうとした瞬間だ。
「っ!?」
一瞬酷く激しい目眩がして、思わず壁に凭れかかる。
なんだったんだ?
本当に目の前が一瞬だけぐにゃっと歪んだ。
「……貧血か?」
目眩はすぐに治まりその後、家に帰るまでも特に何も無かった。
【……ーーー、帰ってきてください。
このままでは…ーーが……ナハトヴェルトが崩壊する】
誰だ?またあの夢か?
いや、違う?こんな夢じゃなかった。
【ナハトヴェルトを守るため、あなたが……犠牲を……】
所々しか聞こえない。
ナハトヴェルト?犠牲?
なんなんだ、これは……
【ーーー、ナハトヴェルトを……救って】
「お前は選択するよ、一人の犠牲者を選ぶ」
今度は誰だ?
さっきの女の声とは違う…
男の…声?
「邪魔をするなら、お前をーーー」
く、苦しい……首を、絞められてる?
なんだよ、夢じゃないのか!
ダメ、だ…息が……
チリンーーー
「リューくん」
朝7:29。
「!!」
ガバッと勢い良く起き上がる。
「はぁ、はぁ…はぁ……」
夢、だったのか?
それにしてはリアルだった。
今も首を絞められていた感覚が残っている。
「……最後の声…鈴の音……あれは雅の声だった…」
ハッキリと覚えている。
鈴が鳴りリューくんと俺を呼ぶ雅の声が。
それに…
「ナハト…ヴェルト……」
何回も出てきた言葉。
昨日の今朝見たあの異世界の名前か?
「……はぁ、目覚めの悪い朝だ…めんど…」
オレは重い足取りのまま学校へ行くため準備をした。
