都会でも田舎でもない

ごく普通のところに僕、富山優樹は生まれた。

そんな僕は19になり、普通のアパートを借りて一人暮らしをしている。

そして僕には彼女がいる。

付き合ってもうすぐ1年半が経とうとしてた。

名前は朝倉美咲、同級生だ。

同じ大学に入り今、充実した生活をしている。

彼女が僕の部屋に遊びに来る事だってあるし、泊まることだってある。

人生の中で一番楽しい時期なんじゃないかと思う。


「おはよう、優樹君」

「おはよう、美咲は相変わらず早いな」

「やっぱ遅れたら悪いかなって思って」

今日は授業がある日なため大学に行かなければならなかった。

朝早くないからと言ってもまだ寒い中、美咲は外で待っててくれてたのだだ。

「大丈夫か?温かいものでも飲む?」

美咲は首を横に振り「大丈夫」と言った。

「そういえば、この間貸してもらった小説、おもしろかったよ」

そういい本を美咲に渡した。

「ほんと?よかった~今度は何か読みたいのある?」

「ん~そうだなぁ」

他愛のない会話をしてくうちに大学についてそれぞれの教室にいった。

教室は違うため美咲がいないと活気がないものだ。


午前の授業が終わり、僕は美咲の教室に向かった。

美咲は他の男子と楽しそうに喋っていた。

この1年ほど付き合っててわかったことがあった。

それは、美咲は浮気癖があること。

何回か浮気を発見し問い詰めたことがあるがまるで懲りてなく

何回もしている。

そこが許せない所だが、何故か僕は彼女を許してしまう。

「美咲」

「あ、優樹君、じゃぁねみんな」

そういい笑顔で手を振っている美咲、こんないい子が浮気癖なんて認めたくないのも本心だ。

「どうしたの?怖い顔して、もう今日は終わりなんでしょ?だったら帰りに私の家に寄ってかない?」

「え?」

「本も渡したいし~勉強を教えてほしいのが本当の理由なんだけど」

あはは、と笑い舌を出して美咲は言う。

「しょうがないなぁ、コンビニ寄って行くよ」

「本当?よかった~あたし一回クラブ寄ってから行くから、また後でね」

そういい美咲は走って僕と反対方向に向かって行った。

僕は教室に戻り帰る支度をしていた。

「そういえばよ~あいつ、隆治のやつ最近新しい彼女できたらしいじゃん」

「そうなのか?どんな子なんだよ」

教室に残っている男子の話が耳に入ってきた。

「話によればD組の子でさ、可愛いっていうより美人の子で朝倉なんとかって子らしいよ」

(朝倉・・・?)

僕は小声で呟いた。

「ああっ、知ってる、朝倉美咲だろ?」

「そうそう~そいや今日めずらしくクラブ行くって行ってたけどさ、今日クラブない日じゃん?」

「朝倉と同じクラブらしいからどうせ2人で残って変なことでもしてんじゃねぇ~の?」

男子2人は笑いながら教室を出て行った。

「・・・うそだろ?」

何回も合った話だったがやはり慣れるものでもなく、信じたくなかった。

正直、信じてなかった。


クラブに向かうつもりはなかったが、美咲に何時頃行けばいいのか聞くのを忘れた。

だからこうして向かっている。

「美術室・・・」

美咲は僕と付き合う前から絵が好きで、よく風景画などを見せてもらっていた。

でも絵が好きな美咲がこんなところで変なことはしてないと、信じてた。

信じてたんだ・・・。


美咲が、僕の知らない男と・・・こんなことしてるなんて思わなかったんだ。



僕が起きると彼女は椅子に座っていた。


「おはよう、そんなところでボーっとしてると風邪ひくよ?」


僕は彼女に毛布をかける。


彼女は笑っていた。



ずっと 




ずっと・・







                  -dear