「あの・・・朝倉さん」

「あ、富山君」

この頃、僕等は付き合って3日も経ってないときだった。

手もまともに触れない。

僕には恋愛なんて合わないな。

そう思ってると向こうから繋いできた。

「ぁっ・・・え、あ」

「あたしたち、付き合ってるんだもの、不自然じゃない・・よね♪」

明るい笑顔で、僕に向けて笑う。

愛らしい笑顔。

この笑顔に何度癒されただろう。


「なっ何しているっ!!やめろ!」

見張りのやつだろう、急いで鍵を開けている。

焦ってるのか、中々穴に入らないようだ。


「あっ!おいしいっ!」

「本当?よかった~」

「優樹君が料理できるなんていが~い」

なんだよそれ~、と言いながらじゃれ合った日もあったっけな。

本当は初めて作ったオムライス、おいしくなかったよね。

後で食べたとき、味が変だった。

それなのに、傷つけないようにと「おいしい」って言ってくれたね。

ごめんよ、美咲。


「くそっ、焦って入らないっ!!おいっ!!その手を緩めろっ!」

警備がこれでいいのか、そう思いつつ僕は意識が飛んだ。

遠くの方で、警備のやつがなんか言ってる。

でも、そんなことも今はどうでもいい。

美咲との思い出を振り返らせてくれ。


そうだ、初めて僕の家に泊まりにきたとき。

そして・・・ひとつになったとき。

美咲はなんて言ってた?

「浮気性で、どうしようもないあたしだけど・・・信じてほしい」

なんで、僕は信じてられなかったんだろう。

どうして・・・。


僕は、この日 息を引き取った。

でも、自分で償ったと自分で思う。

きっと美咲も、隆治も許してくれないだろうけど。

これが僕の精一杯の償いなんだ。


ごめん。

許してはくれないだろうか。