今日は、麻雀における平均順位についてちょっと考察してみようと思います。
麻雀における平均順位(平均着順)は、自身の実力を示すひとつの指標となります。
まずは当たり前のことですが、麻雀の順位は1位から4位までなので、平均は2.50位です。母集団において自身の実力が平均値ならば、平均順位は理論上2.50となります。例えば8戦して各順位を平等に2回ずつ取ったと仮定しますと、成績はこのようになります。
8戦 1位2回 2位2回 3位2回 4位2回 平均順位2.50 ・・・①
ではこの8戦のうち、頑張って1戦だけ4位を3位に引き上げたと仮定してみましょう。4位が1つ減り、3位が1つ増えます。
8戦 1位2回 2位2回 3位3回 4位1回 平均順位2.38 ・・・②
平均順位が向上しました。では頑張って、もう1戦3位も2位に引き上げたと仮定してみましょう。3位が1つ減り、2位が1つ増えます。
8戦 1位2回 2位3回 3位2回 4位1回 平均順位2.25 ・・・③
更に成績が向上しました。なるほど、ちょっとずつ良くなった、といった感じです。
平均順位をデータとして活用する上で重要なのが対戦数です。麻雀の場合、500試合程度の対戦をこなさなければ信頼出来る数値は得られないように思います。では具体的に、①のような平均順位2.50が本来の実力の人の、対戦数とそこから算出された平均順位のぶれ幅の関係について見てみましょう。
<実力平均順位2.50の人の対戦数毎算出平均順位のぶれ幅表>
対戦数 95%信頼区間
100 2.28~2.72
200 2.34~2.66
500 2.40~2.60
1000 2.43~2.57
2000 2.45~2.55
8000 2.48~2.52
こんな感じになります。①のような平均順位2.50の実力者が100試合こなすと平均順位は95%の確率で2.28~2.72の間に収まる、というような見方をしてもらえれば結構です。しかし100試合や200試合だとブレの幅が広すぎるので、やはり500試合はこなしたいですね。
そもそも麻雀て、実力差がどのくらい平均順位に顕れるものなのでしょうか。そして平均順位がどのくらい良くなれば優秀と言えるのでしょうか。
平均順位の優秀さについては、まずはもちろん、2.50以下になることがとりあえずの目安となります。2.50以下であれば自分の強さは母集団の中で半分より上ということになりますからね。
ただ平均順位が2.50以下になれば一般的に麻雀が強いと言えるのかと言われれば、それはちょっと微妙なところです。その母集団の全体的なレベルがどのくらいなのかというところが大きく影響しますからね。
なので、ある母集団との対戦から算出された平均順位からは、基本的にその母集団の中での自分の強さしか分かりません。
実力差がどのくらい平均順位に顕れるものなのかについてですが、これも母集団に影響を受けます。簡単に言えば、母集団内部での実力差が大きければ平均順位の幅も広がりますし、実力差が小さければ幅は狭くなります。
てまあ、なんだか理屈っぽい説明ばかりなっちゃいましたね。こんな説明ばかりだとつまらないので、例として全国の雀荘における対戦成績ランキングシステムを参照してみましょう。
雀荘のランキングシステムに参加する人って麻雀けっこう打てますというレベルの人が集っていると思いますが、その中でランダムに1000試合対戦した場合、調べたところ平均順位2.40~2.60の間に収まる人がほとんどで、平均順位2.39以下の人は全体のおよそ10%、2.29以下となると0.5%ほどしか存在しなくなるようです。0.5%というと1000人参加して5人だけということですね。体感的に、これは巷のオンライン麻雀ゲームでも似たような数字になっているところが多いように感じます。「天鳳の鳳凰卓」のような高レベル限定卓の場合はまた別ですけどね。ある程度の実力幅のある母集団の中でランダムに対戦する形式の場合、大体ですが1000試合で平均順位2.3台なら強者、2,2台以下なら最強クラスになることが多いと言えると思います。
まあ、大体ですけどね。
強者とか最強クラスとか、そういう人たちってきっと自分じゃ手も足も出ないくらい強いんだろうなあと思われている方もいらっしゃるかもしれません。でも全然そんなことないですよ。だって見てください。最初のほうで示した②や③の平均順位を。強者って言ったって8戦中で1回1着順上げてるだけ。最強クラスでさえ2回です。後はもう手が良いとか悪いとか、勝敗のほとんどは運の神様のなすがままに進行しているだけですよ。運という大きな海の中で、サザエをとるのがうまいとか、タイを突くのがうまいとか、そういう技量の差はあるかもしれませんが、自分の場所だけサメがうようよいたら漁どころじゃないですし、タイもサザエもいなけりゃやっぱり為す術ありませんよ。そういう運ゲーであるという前提に溺れずに、弱い人は研鑽を積んで下さい。←どっちの味方やねん。