欲深い老夫婦の気持ちを

色と動きと音で表すという場面。


赤と黒の布を手に取り

左右をずらして上下に動かしながら

足も上下に大きく動かし跳ぶように

その場でぐるぐる回った。

イッヒッヒッとかウッヒョーとか

繰り返し言いながら。


それをやっていたら

どこからやってきたのか

「もっともっと」と口から出ていた。


これは私が考えた言葉ではなく

どこからかやってきたという感じだった。


どこから❓


体の中から❓

潜在意識から❓


不思議な体験だった。


役になりきった俳優が

「上からその役が降りてきた」

絵本作家が

「紙の上で人形劇が行われているように

勝手に登場人物が動くんだ」

そういうのと似ている❓


左脳優位な私は

つい「考えて」しまう癖がある。

だからといって

うまくいく訳でもなく

うまくできる訳でもなく

最近は自分の思考が

鬱陶しく感じてしまうくらい。


そんな私が考えることなく

なぜか勝手にどこかで生まれてやってきた

「もっともっと」という言葉だった。


一体何なのかは今のところ分からないけれど

また同じような経験ができたらと思う。

大事なことのような気がして。