なにかが治っていく過程というのは、見ていて楽しい。季節が変わるのに似ている。季節は、決してよりよく変わったりしない。ただ成り行きみたいに、葉が落ちたり茂ったり、空が青くなったり高くなったりするだけだ。そういうのに似ている、この世の終わりかと思うくらいに気分が悪くて、その状態が少しずつ変わっていく時、別にいいことが起こっているわけではないのに、なにかの偉大な力を感じる。
ハネムーン/よしもとばなな

 秋が好きだ。冷たい風の、肌触り。地面を埋める、落ち葉の色。金木犀の、やわらかい匂い。
 四季の中で、秋が一番好きだ。静かにゆっくりと、時間が流れている気がする。
 もうすぐ、秋がやってくる。私はセーターにジーンズを履いて、図書館に出かけるだろう。
 それがすごく、楽しみである。