僕、アレルヤ・ハプティズムには好きな人がいる。髪が長くて色白で、緑の瞳を持つ綺麗な人だ。恋人だと言えなかったのは、彼と付き合っていることがまだ信じられないからだ。そうですか残念です、と彼女達は去っていった。
「おいおい、ナンパかあ?」
片手に紙袋を抱えて、戻って来たロックオンが言う。袋の中には色とりどりのフルーツが覗いていた。
「大丈夫だよ。僕はロックオンだけだから」
一番上にあるマスカットから視線を外し、彼を見る。彼は頬を赤くし、ああもう、と頭を掻いた。
(可愛い)
そう言いそうになって、口をつぐむ。口に出したら、きっと彼は怒るのだろう。
「ほら、行くぞ」
ロックオンは僕の手を引き、早足で歩いた。人混みの中をすいすいと進んで行く。
頼りになる背中に向かって、僕は密かに呟くのだった。
本当ですよ。
僕の瞳にはいつも、貴方だけ。