好きな人ができた。相手は年上の、とても綺麗な人だ。物腰が柔らかく、誰にでも変わらず優しい。
 彼と過ごす日々は、僕にとってかけがえのないものだ。目に映るのは、真新しいものばかり。知らない世界や、新しいもの。色々なことを、彼は教えてくれた。
 彼と付き合うことができて、本当によかったと思う。毎週の退屈な休日が、今はとても短く感じるようになった。
 今週は、地上のケーキが美味しい店に来ていた。僕がケーキを食べたことがない、とこぼしたのがきっかけだった。それなら、今度の休みに食べに行こう。そう言われた時は、飛び跳ねたいくらい嬉しかった。
「アレルヤ、おまえさん何にするんだ?」
 ロックオンはそう言い、僅かに首を傾けた。彼は僕の正面の席に座り、穏やかに微笑んでいる。日差しが当たり、彼の明るい茶色の髪が、きらきらと光った。
「苺が乗ってるやつだよ。すごく綺麗なんだ」
「苺って……」
 笑いながら、彼が僕の頭を撫でる。その言葉の先は口を出なかったけれど、僕には充分に通じていた。
「可愛いのは、ロックオンの方だよ」
 こんな、気の利かない台詞にも頬を赤らめる。僕は近くにあったメニュー表で顔を隠し、誰にも見えない角度で彼にくちづけた。
 それはまだ幼く、初々しい。くすぐったいだけの、子供みたいなくちづけだ。
 それでも、僕にとっては。
 とても甘い、最初のキスだった。



 月日が経つのは本当に早いものだ。そう思ったのは季節の移ろいを感じたからでも、自分の成長に気がついたからでもない。恋人がひとつ、年をとったからだ。
 恋人、アレルヤ・ハプティズムが二十歳になった。成人になったのだ。
 以前に、偶然聞いた誕生日を覚えていた。その日に合わせてプレゼントを用意しようと地上に降り、ワインと花束を買った。彼と酒を交わし、情熱的な夜を過ごすはずだった。はずだったのに。
 彼が部屋に帰ってきたのは、日をまたいで、二時頃だった。つまり、彼の誕生日は終わってしまっている。
「あれ、ロックオン?」
 部屋の前に座り込んでいる俺を見て、彼が驚いた様子を見せる。
「……よう」
 無意識に、声に不機嫌さが滲んでしまった。約束もなく勝手に部屋に来たのは俺で、彼は悪くないのに。
 でも普通、誕生日は恋人と過ごしたいと思わないだろうか。誕生日くらい、甘えてほしいものだ。
「ロックオン、もしかして僕のこと待ってた?」
 もしかしても何も、それしかないだろう。こんなところで座り込んで、馬鹿みたいではないか。
「あの、ロックオン?」
「いや、いい。俺が勝手に待ってたんだよ」
 笑顔を作り、彼に手に持っていたものを渡す。
「ほら、これ。誕生日おめでとう。一日遅いけどな」
 アレルヤはきょとんとした表情で動かない。そんな彼を残し、俺は部屋に戻ろうとした。
 しかし、腕を掴まれる。振り返ると、アレルヤは泣き出しそうな顔をしていた。
「ロックオン……」
 彼の目に、みるみるうちに涙が溢れてくる。ぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら、アレルヤは俺に抱きついた。
「アレルヤ、どうしたんだよ」
「ロックオン、好き。好きです、好き……」
 泣きじゃくりながら、彼は繰り返す。あまりに急なできごとだったので、俺は身動きを取れないままでいた。
「アレルヤ……?」
 彼は体を起こし、目をこする。そして、少し恥ずかしそうに笑った。
「ロックオンが、僕の誕生日を覚えててくれたなんて思わなくて」
 そう言った彼が可愛くて、気づけば彼の唇を奪っていた。アレルヤはされるがまま、じっとしている。今まで交わしてきた数々の口づけとは違い、熱く激しいものだ。
「ん……、ロックオン……」
「ふ……、可愛いなおまえさん」
 アレルヤは頬を赤くし、とろんとした目をしている。
「もう大人になったんだ、食ってもいいんだろ?」
「く、食うって……」
 彼の顔が、ますます赤くなっていく。こういうところが、愛おしい。
「なあ、いいだろう?」
 さらり、と彼の前髪をとく。彼は困った顔で、俺を見上げた。
「……僕、初めてなんです。今まで、こんな風に誰かのことを好きになったことなんて、なかったから」
「ああ、分かってる」
 できるだけ優しく微笑み、彼の手を握る。アレルヤは安心したように笑い、俺の手を握り返した。

 ◆ ◆ ◆

 月日が経つのは本当に早いものだ。あれから、もう何十年経っただろう。
 俺は戦時中に片目が見えなくなり、それからずっと故郷で暮らしている。近頃は足腰が弱って、歩くことも一苦労。寝て過ごすだけの毎日だ。
 ベッドの中でときどき、彼のことを思い出す。 優しくて可愛かった、年下の恋人。彼は戦場で亡くなった。
 自分の年は忘れてしまっても、彼の誕生日だけは、いつまでも覚えている。自分でも呆れてしまうくらい、好きだったのだ。
(おめでとう、アレルヤ)
 胸の内でつぶやけば、彼の笑った顔が脳裏に浮かぶ。眉が下がった、困ったような笑顔。
 それは胸に、記憶に。
 刻みつけられたように、鮮明に。
 生きている限り、きっと何度も思い出すだろう。




*・゜゚・*:.。..。.:*・'♡H25 5/25 06ヘッド ホワイト肌ちえりちゃんをお迎えしました♡'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

photo:01

もう、本当可愛くて仕方ないです…!
アイの色と、うささんのメイクがすごく気に入っています><
一生大切にしますっ

ちなみにちえりはチェリーをもじった名前です。
さくらんぼモチーフが好きなのと、
この子の瞳の色が綺麗なさくらんぼ色だったので、ちえりにしました。

DDデビューするに当たって、
いろいろな方にたくさんのことを教えていただきました*
特に葵ぼたんくんにはかなりご迷惑をおかけしました;
今度何かプレゼントし返さなきゃですっo(`ω´ )o
みなさん、本当にありがとうございました!

以下に写真が続きます。
よかったら見て行ってください。

photo:03

photo:04

photo:05

photo:06

白肌なので撮影が難しいですが、カメラの方でも撮って行きたいです。

それでは(・ω・)
亜寿紗でした**