#3年A組 今から皆さんは人質です
最高の視聴率をあげた訳は?
※日本テレビ公式サイト「3年A組」から参照:引用
前回#3年A組 は最終回あっと驚く結末にはならないだろうと言いました。
が、今回の「事件の真相」 これに行き着いた人っているのでしょうか。
正直、まんまと騙されたました!
ドラマのストーリーって、結末から考えないとこのような流れにはならないだろうなってところをまともに感じたドラマの構成でした。
振り返って見ると、所々でヒントをくれていたような気がします。
「俺が、日本中の国民を敵に回す必要がある」とか、「もう二度とこのような惨劇を繰り返さない為に」とか、SNSを通して日本中に向けて発信する意義がどこにあるのかを良く考えて見ると、結末に辿りついて行ったのですね。
でも、まさか「◯◯たちが事件の本当の犯人です」 って、◯◯が誰なのか全く読めなかったのではないでしょうか。
武智先生(田辺誠一)が、フェイク動画の作成をしていた事を糾弾する為に、事件の真実を暴くところは、なるほどドラマだって感じで観ていました。事件の真犯人を明らかにする事をプロセスとして描くところがドラマらしい展開になるので、面白みが増す訳ですね。これで、この後の本当の犯人が誰なのか、「本当の戦いが始まる」と意気込んでいたので、私たち視聴者も誰が犯人なのか、登場人物から犯人探しをし始めていたと思います。
事件に絡む人物や、ドラマの登場人物が事件にどのような形で関与しているのか、など色んな推測、憶測含めて、最終回のドラマを楽しみに待つというのは、視聴率をあげる上では良い流れなのでしょうね。
ドラマでは、たまに今までほとんど登場していなかった人物や、最終回だけ何らかの関わりのある人物が突然現れて「犯人が特定される」って事がありますが、これは刑事モノドラマでしかあまり無いようです。
このドラマは、刑事も登場しますし、事件も起こしているので、刑事モノ、事件モノドラマなのかなとも思いますが、全く違いますよね。制作側では、このドラマはあくまで「学園モノドラマ」カテゴリーなのです。
だから、先生と生徒との「学び、教え」などの人の成長を促すドラマなんです。
それにミステリーというカテゴリーを加えたので、非常にシリアスな部分もあるスリリングなドラマになったのですね。
そういう観点で見ると、武智のバックにいた政治家の暗躍がらみから、本当の犯人が現れる構成では、学園モノとの親和性が無く、物語がボケると思います。
このドラマは、現在のネット社会に蔓延る匿名性であるが故に起こせる誹謗中傷など、野次馬的にモノゴトをネットを通して見たりしている無責任社会に対し、そこに「社会的正義」をしっかりと世に問いたいと、命がけで闘うことを覚悟した、一人のヒーローの物語だったのです。
これは、初めからこのコンセプトが無いとストーリーは組み立てられません。
学園モノドラマとして純粋に楽しむこともできたドラマであり、また、ミステリーとして本当の犯人はどこにいるのかを推理する想像を掻き立てるドラマであり、人と人の関係性を改めて問い自分たちがそれを自分ごととして考えさせられる社会派ドラマであったりしました。
ドラマでは、最後の結末を考え、そこから「なか」「はじまり」と「おわり」から辿ってきて最初ができる物語プロットを経て、ストーリーが完成していく訳ですが、このドラマを観て感じたことは、まずドラマで何を伝えたいかという「コンセプト」が無いと、このドラマは出来上がらなかった訳です。
未来から現在を引き寄せることは大事なのですが、一番大事なのは、「何を伝えたいか」という「コンセプト」だったのです。
今回、このドラマのコンセプトは、しっかりと視聴者に届いたのではないでしょうか。
犯人探しだけを最終回に期待するだけでは、ここまで右肩上がりの視聴率獲得には至らなかったように思います。
とても今回は、楽しくもあり、ハラハラもさせられ、また、最後にはしっかりと心に刻まれた、私たちもドラマに参加した気分になって、本当に面白いドラマでした!
この「コンセプト」が秀逸な話題作をまた、一度「どのようなコンセプトであったか」を紐解いてみたいと思いました。
#3年A組 最後まで面白いドラマ。ありがとうございました!お疲れ様でした(^ ^)
人生はドラマだ
自分の人生の物語を、未来から手繰り寄せる事は大事だが、それは自分の「人生のコンセプト」がはっきりしていなければ、未来もぼやけ、現在もぼやけることになるだろう。人は自分の人生をどう生きるのかというコンセプトをもつ事が、より良い人生になる大きな要素だ。