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恋がしたい恋がしたい恋がしたい⑧ 第7話前半 結婚することになった涼介と藍だが、両親に挨拶くらいはしないと…と考える涼介と直ぐにでも籍をいれようという藍。蜜柑は失恋確定、藍の大切さに気付いた一郎は藍を返して欲しいと涼介に土下座する。
涼介こそが、自分の事を誰よりも真剣に心配してくれる、と確信した藍は、自分も涼介を幸せにしようと決意し、自ら結婚しようと涼介にプロポーズします。
自分の気持ちが通じ、藍の信頼を勝ち取った涼介は幸せいっぱいですが、いきなり挙式を予約する!という藍の猪突猛進な行動力のせいで、1か月前にキャンセルした式場に行く羽目になり、またまた振り回されます。(世間体的に、勤務先にも報告しにくい…と考える常識人なため、嬉しいながらも正直まだ藍と結婚する事にピンときていない涼介)
ちょうど蜜柑の勤めているホテルだったため、涼介と藍は蜜柑にも出くわし、蜜柑は仲良く二人から結婚すると告げられ(しかも友人代表で式にも来てねと言われ)、ショックを通り越して茫然と固まってしまい、その場を逃げるように去るしかありませんでした。
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その頃、織江は相変わらずシャドーワーカーとして、イライラしながら家の片づけをしていました。
家族からは、いつもヒマなんだから、こんな夏休みの暑い時期にやらなくてもいいのに……と暇人呼ばわりされ、自分の存在価値を認めて貰えない織江は、ますますストレスフルになってしまいます。
そんな折、渉から電話がかかってきて、織江は自分の出たい衝動を抑える為、食器棚の引き出しに携帯をしまって、必死に渉からの電話を無視するよう努めるのでした……。
自分の部屋でベッドに横たわり織江に必死に電話する渉。
(留守電に切り替わり、ショックを受ける渉の頭の中には、24歳の藍が浮かんでいる様子。
恋は結局、妄想から始まる、という事を体現してくれています。
17歳と42歳の妄想中の疑似恋愛で、冷静に考えると笑えてしまうのですが、山田くんが演じると、純粋な少年が、42歳の織江の中の少女と惹かれ合った事が美しく見え、私には嫌らしい感じがしませんでした)
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その頃一郎は、自分の部屋で次の小説「東京Lovers」を執筆していました。
人は恋をすると夢を見る
恋をすると、次に可能性を信じるようになる
そして最後は、無残な現実に突き落とされるんだ…
大体、恋とか愛とかに一喜一憂している奴らは、みんなバカだ…
数行書いた所で、一郎はそれらを全て消去します。
すると、一郎の亡くなった親友の元カノ(洞口依子)が訪ねてきます。
彼女は当然のように一郎の部屋に入ると、パソコンの画面を冷ややかな目つきで見つめ、まだ何も書いてない事を指摘します。
一郎は、その傍若無人な女に、慣れた手つきで封筒に入ったお金を渡しながら
「いいかげん、終わりにするんじゃなかったっけ。
君にはもう十分な金を渡したはずだけど」
と冷たく告げますが、その女は、悪びれもせず藍に、一郎の秘密をバラそうかな、と逆に一郎を脅迫するのでした。
(一郎が、その女に何かしらの大きな弱みを握られ、脅迫されている事を示唆しています)
その女が帰った後、抑圧された怒りが限界に達した一郎は、怒りが爆発して部屋のものを投げつけてしまいます。
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その後深夜、藍がベッドでうとうとしながら携帯が鳴っているのに気づくと、一郎からの着信を示していました。
驚いた藍ですが、涼介がぐっすり寝ているのを確認すると、部屋を移動して電話を受けます。すると、
「良かった…まだ電話に出てくれるんだ…。」と一郎の優しい声が。
藍は、非常識な時間に電話してくる、相変わらず自己中な一郎に呆れながら
「もう電話しないで…って言ったでしょ。どうしたの」
と仕方なく返事をします。 すると、
「結婚しようか……そうすれば君も満足だろうし、問題も解決するっていうか…」
と、一郎は何とも気持ちのこもらない、信じられないくらい上から目線のプロポーズをするのでした。
(本当に藍のことを舐め切った上からのマウント・プロポーズですよね。これについては第7話後半で後述します。)
藍は、この言葉に動じることなく、
「私、涼介と結婚する事にしたの。 来月にでも式を挙げる予定」
と、きっぱりと宣言し、電話を切るのでした。
美しい高層マンションの風景をバックに、はっきりとプロポーズを拒絶された一郎は愕然と立ち尽くします…。
その翌日、藍はかいがいしく朝から張り切って家事をして、涼介にいい奥さんになるから、と前向きに宣言するのでした。
そして不安がる涼介に対して、藍は涼介が本当に自分を心配している事が分かって、心から涼介と共に人生を歩んでいきたいと思っている、と告げて直ぐにでも入籍しようと言うのでした。
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蜜柑は、二人の婚約の話を聞いて今度こそ鍵を返しに行こうとマンションの前まで行きますが、ちょうど階下に降りて来た二人を見て慌てて逃げ出し、結局また鍵を返せないまま牛丼屋の前を歩いていました。
ちょうど勤務を終えた文平と出くわし、二人は公園まで歩いて話をします。
二人が婚約した事、結局蜜柑は涼介に告白できずじまいな事を話すと、文平は
「自分の気持ち、ちゃんと告白しないと、絶対後で後悔しますよ」とアドバイスします。
(文平は、自分の気持ちを蜜柑に伝えられていないので、自分自身に向けても言っているのです)
公園のブランコに座って、文平は渉に会いに行って、親父を見ても何も感じなかった…と渉に言われた時の話をしながら、
「こんなことなら、本当に自分の好きな事やってりゃ良かった」と呟きます。
蜜柑が驚いてそれは何かと聞くと、本当はパン屋になりたかった……と答える文平。
(以前、蜜柑と好きなパンの事で話が盛り上がっていたのは偶然ではなかった?)
元妻(渉の母親)に、絶対儲かるからと言われて、半ば嫌々ながら牛丼屋を始めただけで、本当は子どもの頃からパン屋で好きなパンを見ている事が好きだった、喜んで買い物をしていく人たちの顔が好きだった、と話します…。
人の言いなりになんか、ならなければ良かった、もう46だし、今更こんなこと言っても遅いよね
と後悔する文平。
それを聞いた蜜柑は、
「もう、じゃなくて、まだ46じゃないですか。緑川さん、自分のこと年取ってる、って思いすぎですよ……。 そっちこそ諦めないでください ー」
と蜜柑は文平を励まします。
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その頃、部活の練習を監督していた涼介のところに、一郎が車で乗り付けてきます。
女子生徒達が、有名人にキャーキャーしている横で、話があるとクールに告げる一郎。
いぶかしげに一郎を見る涼介ですが、藍と結婚する前に一度話を付けておいた方がいいと思い、涼介は後者の屋上で話をすることになります。
最初はいつものように上から目線で、藍と結婚するのはやめた方が良いと思うけど…、と強気で話をする一郎でしたが、涼介が相手にせず去ろうとすると、急に態度を変え、土下座をして涼介を驚かせます。そして、
「お願いします。僕は、彼女じゃなきゃ駄目なんです。彼女が傍にいないと何もできないんです……」
と涼介に告白します。
これまでの虚栄の仮面が剥がれた、一郎の本心を聞いた涼介は驚くばかりでした……
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その頃藍は、エステの勤務中に、お客である織江から、もう渉とは合わないと電話で告げたことを聞いていました。
心が和むような、癒しのあるいい子だったよね…と藍が織江に言うと
「自分の娘くらいの子どもなのよ、本気になるわけないじゃない」
と、開き直りぎみに織江は返すのですが、じゃあなんで未だに痩身エステを受けているのか、と藍に聞かれ、織江は改めて自己矛盾に気付き、返事に窮します…。
藍が休憩で席を抜けると、蜜柑が藍を訪ね、涼介を好きな事を告白しようとしていました…。
結局、藍の鈍感さに告白する気力をなくした蜜柑は、告白どころか、藍の結婚式の準備を手伝うと言ってしまい、更に藍に誘われて飲みに行く事になってしまいます…(T0T)
そして飲み会には、何故か蜜柑の知らない織江も来てしまい、酒によった織江は主婦の生活が家事と子育ての繰り返しでつまらないと滔々と語り、結婚なんて一種の終身雇用契約で、好きな人とはするもんじゃないと愚痴をこぼし続けるのでした。
蜜柑は、そうかな、尊敬し愛し合っている夫婦もいるんじゃないかな、と返すのですが、若く希望に溢れた蜜柑に嫉妬した織江は、お嬢ちゃんは、まだ現実が見えてなくていいわねーとウジウジ絡んできます。
我慢の限界を超えた蜜柑は、とうとう
「そんなグダグダ言うなら、離婚しろ!!」
と爆弾発言してしまいます。
(元気な藍よりも、おとなしそうな蜜柑の方が、本当は芯が強く、大胆な行動・発言ができる性格なのが分かります)
織江はそう言われて驚き、我に返り、シュンとして本音を呟きます。
「この年まで専業主婦やってると、1人で生きていく勇気なんかなくなるのよ…情けないけど……」
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所変わって、文平の勤務する牛丼屋に渉が訪ねてきます。
客として並盛の牛丼を注文したあと、続けて織江が店に入ってきます。
(二人とも第一話の時と同じ席に座っています。)
織江は酔いが半分醒めぬまま、大きな声で文平と話していると、渉が振り返って織江と目が合ってしまいます。
驚き焦る織江ですが、渉は会いたい人のお姉さんだと信じて、自分の電話に出てくれるよう頼むのでした。
(事情を知らない文平も行きがかり上、私からもお願いします、と親子で頼まれ、固まるしかない織江。)
仕方なく織江は、妹に電話に出るように伝えます、と伝えて、逃げるように帰宅するのでした…。
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涼介は、家に帰って、藍に今日一郎が学校に来たこと、土下座して藍を返して欲しいと言った事を話します。
藍は一瞬動揺しますが、すぐ気を取り直して、芝居慣れた一郎の事だから気にしないでと涼介を気遣います。
真面目な涼介は、そんな風には見えなかった…、と返します。
これ以上一郎に振り回されたくない藍は、婚姻届を貰ってきたと話題を変え、式の前に先に届けを出しに行こうと名前を記入し始めます。
その前に、せめてご両親に挨拶位はしておかないと…、と言う涼介に、そんなの必要ないから…、と届を書き続ける藍。
結局、真面目な涼介は独りで羽田の実家にアポを取って挨拶に行くことに。
ところが、藍の父親(藤木孝)は、せっかく会いに来た涼介に対して冷ややかな態度で、勝手にしてくれて結構です、と言い切ります。
それどころか、何不自由なく過ごさせてやったのに、何が不満だったのか急に家出をした親不孝な娘、というレッテルを張り切り捨てたことで、涼介は藍とその家族は本当に愛情のない冷たい関係性だった事を想い知らされます。
藍の家族の中での孤独を痛感した涼介は、「自分が彼女を絶対幸せにして見せる」と大声で宣言するのでした。
(藍のキャラにモデルがいるのか分かりませんが、彼女には一種の愛着障害があるのではないか、と私は感じました。これに関しても後述します)
第7話後半に続く
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この7話は話の密度が余りに濃すぎて、結局前・後半に分けて書く事にしました。
今話も、10年以上前に観た時と比較して、感情移入する人物が変わっていた事が大きな驚きでした。
以前観た時は、藍の気持ちを中心に追いかけて観ていたのですが、今回は、月日が経って文平と織江のセリフが心に突き刺さる事に気付いたのです。
蜜柑が言った、もう46(歳)とまだ46(歳)の認知の違いは大きいですよね。
私自身は文平の性格に少し似ていて、自分が好きだと思った事よりも、人が熱心に勧めるものに意識を向けてしまう自信のなさがあったので、似たような後悔と反省の経験を持っています。
(そのため離婚したり、今こうしてブログを書いたり、結婚前とは分野の異なる教育福祉関連の仕事をしているのですが…)
結局、配偶者だろうが恋人だろうが親だろうが、自分ではない他者の言いなりになったらダメだという事です。
自分の人生は既婚でも未婚でも自分で責任を持つ必要がある、何より自分の本音と向き合う事が後悔せず幸せに生きる術なのだと、改めて思い知らされた回でした。
同様に織江に対しても心から同情してしまいました。
専業主婦は家族優先で自分の事は後回しになりやすく、日記にさえも自分の事に関しては何も書くことがない、という家族と言う他者の為に生きるシャドーワーカーになることで、自分だけの世界を喪失してしまい自己効力感や達成感さえも持ちにくくなりがちです。
以前の自分のような専業主婦の孤独を思い出して、悲しい気持ちになりました。
この物語は、一見20代が中心の恋愛物語に見えますが、実はすべての登場人物が、自分の生き方に迷い、生きる軸を探し悩みながら、人生の希望を掴んでいく話だと思うのです。
自分の人生に夢中になれる何かがあれば、恋がしたい、と飢餓感を持ってまで他者を求める事はないのかもしれないと、私は強く思うのです。
人生を変えたドラマ51に続く