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リーガルハイ2 その11(終) シーズン1との最大の違いは?
リーガル・ハイとリーガルハイ2の大きな違い、それは一言で言うと、古美門が下ネタ話を多用したか否かだと思います。
リーガル・ハイの時は、多少は女性と絡むシーン(元妻の圭子シュナイダーや沢地君江等)もあったのですが、そんなに嫌らしい下ネタはなかったと記憶しています。
ところが、リーガルハイ2では、初回から安藤貴和とのオプション報酬(高速○○××攻め)や、女性のバストに顔を近づけたり、明らかに性的な表現を用いたり(第7話の全裸さんの原告尋問や第8話のおざおざの解説など…)するシーンが多く、エロい古美門を全面に押し出していました。
その結果、リーガルハイ2の最高視聴率は初回が最高で、後は伸びる事はありませんでした。
以前も書きましたが、視聴者の何割かは、シーズン1の第9話のような恰好良いストイックな古美門を期待しすぎたのかもしれません。
リーガルハイ2は、古美門が初回から裁判で負けたり、エロ報酬に惹かれて依頼を引き受けたり、自分より人気がある羽生くんに嫉妬したりと、嫌らしかったり格好悪かったりします。
私も最初は、シーズン1と性格が少し性格が違う事に違和感を持っていたのですが、回が進むにつれて意図的にエロくてみっともない古美門にしてあるのだな、と思うようになりました。
最終回、羽生晴樹は安藤貴和に殺人罪を適用できない事に対し、せめて十数年は刑務所に入れて悔い改めさせるべきだと力説し、
「人間の醜さに焦点を当てるのではなく、人間の純粋さに焦点を当てて、幸せに導くべき」
と主張するのですが、古美門は、それでは君は人を救う事はできない、と言い放ちます。
そして第2話からこれまで出て来た依頼人たちを思い出しながら、如何に人間が狡くて、嫉妬深くて卑怯で、醜い面があるかを突き付けて、羽生晴樹を追い詰めます。
それでも羽生晴樹は上から目線で、そういう人達を自分が導くんだと主張した為、
古美門は羽生晴樹が自覚していない自身の醜さをはっきりと、指摘するのです。
「自分も底辺の醜いゴミ屑の一匹であることを自覚しろ!」と。そして、
「皆が幸せになる世界を築きたいと本気で思うのなら、方法は一つだ…
醜さを愛せ。」
と、この第2シリーズで表現したかった最大のテーマを提示するのです。
そして、古美門を絶対的賢者にするのではなく、血の通った欠点多き一人の男として描いています。
それ故に、古美門は最後まで安藤貴和に振り回されたり、黛にコテンパンに言い返されたりしているのです。
正に、人は欠点で愛される、のだと脚本家•古沢氏は伝えています。
あと、思い込みの悲喜劇を羽生晴樹がゲイだと判明させる事によって、表現しています。
リムジンバスが発車した直後まで、私達(登場人物でさえも)は、羽生晴樹は黛を想い、黛に振られたと思っていたのですが、
実は、羽生君は最初から古美門が好きで、黛に嫉妬していたのです…。(写真の撮り方がピントも配置もずれてるのはワザと?)
最後の最後まで気が抜けない古沢脚本。
その事実を知った上で、第1話から見直すと、また違った感想になるかもしれません。
次回から、少し古いですが金城武・主演の「ゴールデンボウル」の紹介・感想を書きます。
人生を変えたドラマ⑱ に続く