プロ声優が江戸時代を研究する理由。

昨夜は、我が家で、

実写版『ダンボ』を観ておりました〜

主演がコリン・ファレルというのも、意外なキャスティングですよね〜。

（私、彼の大ファンなんです）

さて、

実写版の映画についての話はこの辺りにしておいて、

皆さんは、

アニメーション映画『ダンボ』をご覧になったことがありますでしょうか

実は、

とても悲しく切ない境遇にある小象のお話なんですよね〜。

冷酷な人間達のダンボへの所業などは、

子供向けとは思えないほど残酷だったりします

本編の内容は、

あのキュートなキャラクターイメージとは、随分とかけ離れたストーリーなんですよね。

アメリカでの公開は、1941年。

公開数カ月後に、真珠湾攻撃があったのことになります。

そういった時代ですから、

厳しい内容が含まれてるのも当然かもしれませんね。

さて、

今日のブログでは、

そのアニメ版『ダンボ』の日本語吹き替えについての話したいと思います。

この映画には、

何とっ、〈江戸〉を感じさせるものがあるんですよね〜〜

ご存じだったでしょうか。

これ、嘘じゃないですよ

ホントの話なんですよ～。

解説してみましょう

ダンボの隣りにいるネズミのキャラクターがいますね。

あのネズミ君を知っていますか

名前をティモシーと言います。

このキャラクター、

吹き替え版では、

その話しっぷりが、江戸っ子を感じさせる江戸町人風ネズミになっているのです

実際に、

江戸っ子言葉を話している時があるんですから、驚きですッ

それはそれは見事な江戸っ子ぶりで、まるで時代劇のようなんですよ〜。

べらんめえ調のネズミからね、可愛いですよねぇ

彼は、

虐められ、母象と隔離されて落ち込んでいるダンボのために、世話人の様な立場で活躍します。

種族を超えて助けを買って出るという、なんとも人情味の厚いオスネズミという設定です。

その辺りから、

日本語化する際に、

江戸っ子気質を盛り込む決断に至ったのだと思います〜。

それが見事にハマっているので、

とても魅力的なキャラクターに仕上がっているんですよね

こんなところにも、

江戸の言葉や節回し、気質というものは存在するんですよねぇ。

160年前の日本に存在していた江戸という時代。

町人文化の中で形成された江戸っ子気質。

これが、今の日本人の中にも、

格好良さ、気風の良さ、粋、いなせ、という表現で憧れの存在として息づいているんですね。

だからこそ、

ドラマ作品を作る側も出演する側の者も、

この江戸という時代についての研究は、怠ってはならないと思いますねぇ～。

昔と変わらず、

今の時代でも、

十分に日本人へ通用する言葉なんですからね

さて、

この映画には、

他にも面白い発見はあります。

例えば、

映画のラストに登場する三匹のカラス達。

彼らからの中には、

何と・・・・とても奇妙な関西弁を話す１羽がいるんですよ

確か・・・・

「ちゃうわ」

なんていう大阪弁を話すのですから、もう滅茶苦茶ですねぇ

それがまたヘンテコなアクセントでして、

その奇妙さが何とも言えず可笑しいのです

（この声優さんは素晴らし仕事をしていますね～）

昔は、

何でもありの演出だったんですよねぇ

とても大らかで、

ホントにいい時代だったんですよね～

この3羽のカラスには、

ミュージカルシーンもあるのですが、

その完成度も素晴らしいものがあります

一級品の歌唱力がある声優が歌っているのではないのですが、

このシーンには、

ハイセンスなエンターテイメント力が詰まっていて、

何度観ても楽しめますよ〜〜

ああいったミュージカルシーンは、

役者自体の性格やセンスが、

100％反映されると思います。

声優さん達の、

軽妙洒脱な雰囲気がモロに露出しているシーンだと思いますね。

とても、

ホッコリする嬉しいミュージカルです

往年のミュージカル映画を彷彿とさせる仕上がりですよ。

このアニメ映画『ダンボ』ですが、

私の鑑賞した吹き替えバージョンは、

牛山茂さんがティモシー役のものだと思います。

素晴らしいので、一度ご覧になってみてください。

「これぞ、日本人のための吹き替えだ」