私という人間は、
「それはやるなよ・・・」
ということには、
能力不足であろうが、無謀であろうが、
手を出したくなる性分なのですぅ〜
(これって、嫌われ者の典型ですねぇ・・・)
ドラマCDを作るときにも、
その衝動は全開でして、
完成したシナリオを読んだ方々には、
「おいおい、これは小説じゃないだろうに」とか、
「ドラマCDってものを知っとるのか」とか、
「・・・どうやって作る気だい?」などと、
白い目で見られました〜
呆れられるどころか、
中には悪意のある視線の方もいましたねぇ〜
しかし、
どうせ作るならば、
手出しできない領域に踏み込んでみたいと思うのも、
人間の性(さが)だと思うのです。
怖いもの見たさってやつでしょうかね〜
そんな私が、
今回のドラマCDで踏み込んでみたこととは、
その1、長い会話シーンを入れること
です。
大ベテラン声優や人気若手声優さんをキャスティングすると、
どうしたってスケジュールは合いません。
制作上、個別の抜きの録音ということになります。
その条件下で、
何ページにもおよぶ会話シーンを作ろうというのです〜。
ちょっと正気じゃないですよね
でもですよ・・・
もしも、皆さんが好きな作品を作れるとしたら・・・
どうです・・・・
長〜い長〜い会話、やって見たくないですか
このシーンでお客さんを、
ズルズルズルと物語へ引き込みたくないですかぁ
わたし、
こういった誘惑には、
負けることにしています
その2、剣戟のシーンを入れる
です。
ドラマCDで刀同士の決闘を行うとなると、
絵がないのですから、
聞き手を混乱させる危険性は大きいものです。
しかし、
作家 柴田錬三郎さんの書かれる、
あの「刃圏(やいばけん)」というものを、
音だけの世界で表現したくてたまらないんですよねー
ジリジリとつまる両者の間合い・・・
達人同士のみが存在できる異空間・・・・
正真正銘の命の取り合い・・・・
これを表現できれば、
まさに冷や汗もののシーンになると思ったのです
目に見えるような光景というのを、
自分で作り出せるかどうかの挑戦ですね。
これこそが、
この仕事の醍醐味かもしれませんね
その3、必要ないことをやる
です。
最近は、このどうでもいいことを削除する傾向に、
ドラマ制作はあると思います。
でも、
物語を語るときには、
ストーリー展開に関することばかりでは、
つまらないんですよね〜
キャラクター同士についてのちょっとした触れ合いや、
日常の何気ない会話などを入れてこそ、
本筋の物語も息づいてきて、
ありありとリアリティーが増すと思うのです。
きっと、声優さんいとっても、
こういったシーンは、演じがいがあるのではないでしょうか
説明ゼリフからの開放ですよね
是非とも、
こういった余談を存分にやりたいと思ったのです〜
(だから、CD4枚分になっちゃったんですよねー)
これらを私は、
「ガリガリやります」
と表現していました。
誰がなんと言おうと途中で辞めない、
食べたいものは皿まで食ってやるつもりの表現ですね
(だって、みんなして止めようとしたんだから〜)
是非、こういった常識破りなところも、
聞いて楽しんで頂きたいですね〜。
大御所声優の方々の、
素晴らしくも圧倒的な演技に、
脚本・演出の私が対抗するには、
これくらいの課題を作品に挑まなくては、
物語がキャラクター負けしてしまいますよね。
そのくらいベテランの演技は凄まじいものです
油断は禁物なんです。
大御所声優というのは、ある意味、私の敵なわけですね。
私は、思っているのですが・・・、
このシナリオを初めて読まれたメインキャストの皆さんは、
私のこの挑戦を、
シナリオを通して読み取られていたと思います。
きっと、「生意気な!」「小癪な!」と思われたんではないでしょうかね〜〜
つまりは、
私からの果たし状に対しての返答として、
録音現場に来られたというわけです
「やっちゃいけないこと」って、
やるべきですよね。
ドシドシやって、
ギラギラ目立って、
バンバン嫌われたらいいんですよ〜
きっと、
1%の人がが大好きになってくれますよう
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オーディオキネマ
山中(脚本・演出)
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