「平清盛」(2012年大河ドラマ)第25話見果てぬ夢までの感想です。

とんでもない小学生並みの馬鹿さ加減の主人公で、筆力ゼロの脚本家で、ナルシスト演出家の大河だと思っていましたが、朝廷のドロドロ具合がまあまあ面白く、なんとかこれまで見てこられましたが、保元の乱前後から、お話もだいぶ面白くなってきました。

どんなに能力のない脚本家であっても、史実どおりに書いていれば面白くなる頃合なのでしょう。少年時代は、特に史実的えぴがないから勘違い妄想ストーリーのようになっていましたが、さすがに平清盛であれば、史実エピを拾うだけで、そこそこのエピになる、と。

第19回「鳥羽院の遺言」あたりから面白くなってきました。
が、さすがのWの筆力のなさです。
権力者の代理戦争をさせられ命をはらされる悔しさ、一門を守るために家族で敵味方に別れる苦悩、家族を討つ辛苦、こういうものが全く描けていません。

どうして、こうも死を前にしてもなんの感情も描けないのか。

「新選組!」での仲間の死を決断さざるえなかった近藤勇、土方歳三、仲間・先輩を斬らねばならなかった沖田総司、苦悩の末やはり組で死のうと決断した山南敬介、この描写の1/100にもならないようなドラマ。

「風林火山」の甘利の死、板垣の死、武田家臣団の死にも、まったく及ばない。

大河ドラマにとって、身内の裏切りや、近しいものを死に追いやるということは、まさに山場エピなのだが、藤本にはこれしか描けないということでしょう。

あとは、あれですね、平清盛(まつけん)が、小学生的知能から、急に普通の大人のようになっている。人格の一貫性のなさ。能力の一貫性のなさ。これも筆力のなさゆえですね&演技力の壊滅度ゆえですね。

しかし、見ていて思ったのが、自分の結婚は好き放題やったくせに、子供の結婚には自分の望む相手を押し付けるという所を見て、「棟梁だから」という一言で片付けていたが、まさにああいうDQNっているよねーって思った。

新人のころは「残業は一切しません」といい、先輩になったら「残業もしないでお前社会人がつとまるわけねーだろ」とかいいだす、ブラック社員にありがちというかなんというか。

こういう人って、自分の都合だけで他人に全てを押し付けるから、こうなるんだろうね。自分の思い通りにしたいから、子供のころは自分の思いを押し通そうとし、大人になったら、子供を利用して自分が得をしたいから、子供に言うことをきかせようという。新人/先輩関係でもまたしかり。なんたるDQN。

そして、奥方(深田恭子)もまたひどいDQN。あんなに無能で、雇い人がいっぱいいるのに料理もできなかった分際で、熊野詣でには威張って支度をさせている(なんの役にもたっていないだろうが)。
あんなに顔がかわいいのに、どうしてあんなにDQN女優になってしまったのか。演技よりも、「私ってかわいいでしょ?」とアピールすることしか考えてない超DQN女優になってしまって、本当に哀しい。

由良御前は、奥方としては立派であったという描き方でしたが、なによりも、あの女優の顔が性格が悪そうすぎて見ていられない。なんであんなにも底意地の悪そうな顔をしているんだ。あと演技もだめだと思う。前になんかのドキュメンタリーかインタビューで、映画監督に「イイ表情だ」と褒められたと自慢げに話していたが、それって、下手なアイドルでも、一時使える表情をしてくれたら、なんとか映像ができる、という話で褒められただけであって、あんな静止画みたいな表情ばかりしたら、それって映画にもドラマにも向かないと思う。きちんと人間を描く、それがドラマであり、女優としては、与えられた役をどう視聴者に見せて、感情を動かすか、ではないのか。

このドラマ、とりあえず、Wがひどすぎるけど、演者もどうしてここまでというのが揃いすぎ。しかも、中井貴一、和久井映見、小日向文世あたりですら、全然よくない。サダヲもよくない。主役は最悪。主役の妻も最悪。義朝(玉木宏)の部下も下手すぎじゃね?そういえば上川隆也もたいしてよくないよ。どうして、こうも役者を殺すか、下手な役者しか出ていないんだ?

源義朝も、演技は別に全然よくないし、せっかくのあのビジュアルも全然いかせていなかったが、、ここにきて、急遽、第25話「見果てぬ夢」以来、お父さん(こひさん)並みのダメ人間に突如なっていましたが、ダメ人間・ダメオヤジに役がなればなるほど、イケメン度合いが高まるというww イケメンww 頼朝も超イケメンだし、源氏のビジュアルだけは今後も注目しようかと。

いやあ、悪くない主役の人選(平清盛は一年の大河に耐えるエピがあるわりに、飽きられていない題材なのでよいと思ったのだが)なのに、もったいない。もっともっと骨太の大河ドラマがみたいです。よろしくお願いします。