逆に、シャッターシーンではなく、最後のりこ(永作博美)とさき(菅野美穂)の二人の幸せそうな様子で泣いた。自信がなかったり、いろんなことがあったり、人生は色々とつらいけど、でもそんなことなくて、ちゃんと夢をかなえて、いや夢をかなえたかどうかよりも、三人ともすごく幸せそうで、穏やかに幸せに、自分らしく暮らしていて、仲良くて、本当にすてきだなと思って、見ていて涙が出た。

こうちゃん(藍田、谷原章介)は逆に、さきよりもりこの方が、確かにあっていそう。さきのことを好きになった藍田はわかるが、逆にりこの方が合っていそうだね。実は繊細で弱くて、でもとても人に気を使って生きている人だから、りこもそういうところがあるから共通点が多いのに、でもりこはとってもたくましいから、こうちゃんを守ってあげられそう。さきはこうちゃんを守るというかんじでもないし、共通点は少なくて、こうちゃんはさきには人として憧れていたようにも思うし。

すてきなドラマでした。

しかし、司法試験に落ちるというのは、本当につらいと思う。
想像しただけで恐ろしくて吐きそうになった。逆に合格発表前は、気持ちがある意味鈍磨して逆に冷静でいられるというか、気持ちが鈍磨しているようにも思う。それが続いて、受かった後も、受かったかどうかはわかるが、あまりうれしくないという感じのようにも思うが、落ちたらつらいだろうね、吐きそうに。

司法試験に落ちるのはつらいと思う。これ以上どうしようもないと思うぐらいにやったあとは余計に。私は運が悪いと良く思うけど、でもすごい頑張って努力して頭もいいのに落ちる人もいるわけで、運が悪いというのは「不遜」すぎるな、と思った。ただ性格わるくて、ドバカで、あほすぎて、非常識で、努力もできなくて、どうしようもない人も大勢受かっているだろうけど。彼らはどうしてそんな幸運に恵まれるのだろうか。しかしThere's only us.

あんなつらい落ち込みから救ってくれたのは、やはり友人だった。
そして悔いが残ることは多いけれども、でも自分が自分として生きていかなかったとしたら、もっと後悔が残っただろうし、何より友だちと友だちになれることもなかっただろうし、将来に希望も勇気ももてなかったと思うというさきの言葉は、本当にそうだな、と思った。

自分が自分らしく生きていくには、風当たりも強くなるし、そりゃ長いものに巻かれて、間違ったことをしてでも多数派に流された方が、いきやすくなるようには思うけど、でもそんなことしたって、何の満足も得られなくて、仮にそれで地位もお金ももらえたとしても、空虚だよ。むなしいだけだよ。気持ちがどんどんうつろになっていくよ。

ますます将来に希望が勇気がもてなくなる。そりゃ、自分らしく生きていくのは大変だけど、でも自分らしく生きていっているからこそ、将来に希望が勇気がもてるんだ。そのとおりだな、と思った。


さきの台詞をどらま・のーと様より引用させていただきます。本当に素敵な台詞です。

(引用はじめ)
「自分でも、余計な事してると思うわよ!
 おせっかいだと思うわよ、でもね!
 周りの人にはみんな幸せになって欲しいの!
 困ってると放っておけないの!
 嫌なヤツ見ると、ムカツクーーーのっ!!」

早紀の絶叫に微笑みを隠す璃子。

「もう何でみんなさ、自分さえ良ければいいわけ?
 いつから人の迷惑考えないようにあったわけ!?
 いつになったら弱いものイジメやめるわけ!?
 何で、争いごとなんか止めて仲良くしようと思わないわけ!?
 いつまで自分はいくら稼いだって自慢したり、
 勝ち組負け組とかにこだわるわけ!?
 そのくせ、自分は不安だ孤独だ、先が見えた、
 生きててもいいことなんて何もないとか、
 もーうっ、グダグダグダグダ!
 みんな何したいわけ!?
 一人だけおいしい思いすればいいわけ!?
 安心安全がそんなに欲しいかよ!!
 人生なんて、答えがわからないから楽しいんじゃない! 
 自分の力で何とか出来るから面白いんじゃないの!!」
「・・・」
「・・・そりゃあね、私だって不安よ。
 世の中不条理だと思うわよ。
 ・・・あんなに、勉強したのに何で落ちるわけ!?
 何で、私よりも弁護士に向いていない人が、
 弁護士になって偉そうな顔をしてるわけ?
 私を落とした試験官全員出て来ーいって感じよ!!
 もう・・
 でもさ、そんなこと言っても、何もならないし・・
 何も変わらないから・・
 辛いけど、自分を・・通してきたの!
 周りの目は気にしないで、自分の思いはいつか伝わるって
 信じて!!不安と戦ってきたの!
 だから、私は後悔してない!
 母さんが倒れた時、正登のプロポーズを受けていたら、
 今頃、旦那や子供に異存する人間になってたかも!
 前の事務所辞めたときだって、生活の為に自分を殺してたら、
 弁護士って仕事に希望をもてなくなっていたと思う!
 母さんが学校に行くの止めなかったら、
 自分の本当の気持ちを一生伝えられなかったと思う!
 中島先生にしか助けられない人は沢山いると思うし、
 今田健治が、司法試験受けたいって言ってくれた時は、
 もう涙が出るくらい嬉しかった!!
 正登だって、色々あったけど・・
 今は、私が、好きになった頃の正登を取り戻してくれた。
 それに!!
 何より・・・
 私が私じゃなかったら・・
 蓮美や、藍田と友達になれなかったと思う!
 これからの人生を生きていく、勇気や、
 希望を持てなかったと思う!
 違う!?」
「・・・」
「だから、私は、荻原早紀であることを止めない!!」

(引用おわり)

すてきな作品でした、本当に。
遊川和彦、ありがとー!!!

そして、その後、「Mother」の音楽とともに予告が…。音楽聞いただけで号泣しそうになった…。
「曲げられない女」→「Mother」と作ってくれたNTV水22に本当に感謝です。
すてきなドラマをありがとう!!!


最後に蛇足だが、永作博美がとてもうまかった。すごくかわいいし若く見えるけど、菅野美穂と並ぶと肌がかんのちゃんより老けているなとは思ったが、そういう老けとか、年齢に比べて童顔すぎるかわいらしい外見とか、かわいい声とか、すてきな衣装とか、そういうのもすごく魅力的だったし、なによりも本当にうまかった!
「四つの嘘」とかの子悪魔系のフェロモン系のファム・ファタール的役より、こういう永作博美の方が好きだ!ほんと、うまかったー!!!

そしてこうちゃんは、私に似ているように思うw 私はきっとはたからみたら、ああいうように、ふざけているのか、本気なのかわからない、ああいう人間に見られているのだろうな、と思った。はらしょー、はまっていた。

塚本も、いつもの青年役よりも、こういう嫌味な役が、ものすごくはまっていた。ほんと、将来いい俳優さんになりそう。

かんのちゃんは、役柄的に衣装や髪型やビジュアルがイマイチでしたが、全体的に、役に合っていてよかったです。

最後に、灯役の子役が、異常に美人でびっくりしたw