「泣かないと決めた日」(CX21)初回(1/26放送分)の感想です。




私は、民放ゴールデンタイムのドラマ枠(非EX刑事モノ)はほぼ全て枠で録画していて、録画を見たいときに見るという視聴形態を取っていますが、このドラマは、なんとなくキャストと枠イメージからして、見るのがおっくうな感じもあったものの、ネットだかなにかで、「自分の会社のありがたみがわかった」とか「私そっくりです!」とかいう感想があるというのを見て、ぜひ見てみようと思って、「宿命」の録画分ではなく、こちらを先に見てみました(今クールは「宿命」がお気に入りw)。




すばらしかった。




いや、ドラマヲタとしての私は、



1.脚本

2.脚本意図

3.企画

4.役者の演技

5.役者のビジュアル

6.演出

7.枠イメージ


をいつも見て、「おぉ、すてきなドラマだ」とかって思っているのに、このドラマだけは、ドラマヲタとして、ではなく、主人公と同じく、社会の厳しさを身をもって体験した人間として、こういう主題のドラマを企画してくれたことに、すごく感謝しました。




お仕事ドラマの和気藹々感も好きだけど、でも、学園いじめモノもあるというのに、会社のいじめ、妬み、八つ当たり、弱いモノイジメといった類のものは、今までまったくドラマで描かれず…(有名どころでいえば「愛という名のもとに」のチョロが上司にいじめられていたが、あれはチョロがたまたまひどい上司一人にいじめられ、その他の不幸が重なり自殺したという展開であって、このドラマは会社の一部書全体にはびこる悪意とそれによるイジメを描いている点で、違うと思う。)。




いや、ほんとにね…。




あらすじとしては、商社に一般職?かなにかで入った主人公(榮倉奈々)が、部署の人にいびられいじめられるという話。




榮倉のモノローグにもあったけど、甘い考え方かもしれないけど、私も、社会に出たらなにか輝けるというか、社会と接して、きらきらとはたらけるのかな、とか思っていた。




私は榮倉とは違って、社会人一年目のときはとても楽で楽しかったけれども、その後本部に異動になったときに、このドラマほどの露骨さではないけれども、このドラマ並みの邪気・悪意のみなぎる部で、つらかった。




あと、今の会社も、これくらいかこれよりひどい邪気・悪意がみなぎっている。




榮倉も確かに悪いところはあって、取引先に素直にいっちゃいけないことをいって謝っちゃうとかさ、そういうのは確実にまずいし、オフィスで泣くとかうざすぎるけれども、でも新人に対して全くフォローせずにかえってイジメ倒して、あの扱いはないと思う。




前に別エントリで書いたけど、「救命病棟4」を見た後に、再放送で「救命病棟2」をやっていて、見たら、職場のあたたかさ・なごやかさが2と4とでは余りに違ってびっくりした。みんなで楽しく温かく仕事をしよう、助け合ってチームで仕事しようという意識が2では強いのに、4は殺伐として、院内が逆に敵、みたいな。




今の時代は、「救命2」とかの時代と違って、個人や社会にとってストレスフルな時代で、みんな鬱積したものがあって、それを内にため込んでいらいらいらいらしていて、それで自分を率っしられない人は、新人みたいな弱い立場の人に八つ当たりして、鬱憤晴らしをして、っていう風になっているところが、実際にもあるんじゃないかなあ、と思った。




「龍馬伝」の上士と下士の話を見ても思ったけど、上士としても余裕があれば(一部の正確の悪い人を除いて)下士をいびったりしないはずで、上士でも格式だけあっても実際は貧乏で、栄達も出世も目標も目指すべきものもなくて、鬱々と何をして生きていけばいいかわからない閉塞感の中で、下士をいびって鬱憤を晴らしていると思ったけど、




それと同じで、このドラマの人たちもほんとにひどい。

榮倉の指導係の人みたいに、全てにおいてヒステリーというか、やつあたり風のしゃべり方の人って、会社でたまに見かける。ああいう人、そんなに珍しくないと思う。




なんか、「HERO」とかその他のお仕事モノが流行ったときは、和気藹々とチームで足りないところを補ってフォローしあう、信頼できる仲間とのあったかい職場みたいなのが、社会にも受け入れられていたのかもしれないけれども、今の世の中ってそういう職場って多くはないし、だからお仕事ドラマもあまりウケが良くなくなったのかなあ、と思った。




CHANGE」とかって、あれ、15-20年前だったら、もう少し受けそうにも思うけれども、ああいうおままごとみたいなきゃっきゃやれる職場なんて、いまどきねーよ、とかって視聴者が見ていてしらけるようにも思う。「東京DOGS」しかり。逆に「BOSS」とかだと、それらに比べたら、浮ついた感じが少し薄かったからよかったのかな。とりあえず、ふわふらおままごとみたいなお仕事ドラマは、今の時代には受け入れられにくいのかなーとも思う。




って、まあこれも視聴率悪いですけどね。

火【21】泣かないと   10.2__*7.5__10.0__*9.5__




私は、このドラマのことは、一生忘れないだろう。中学生、高校生とかで「LIFE」を読んだり見たりして勇気をもらった子がいるのかもしれないけれども、私はこのドラマを見て勇気をもらった。




「他にどうすればいいかわからなかったから」といった榮倉の台詞に泣いてしまったw

必死で頑張って、それ以外自分ではどうしたらいいかわからなくて、何が悪いかわからず八つ当たりされたりしたときに、一体どうしたらいいんだろうと途方にくれたことを思い出して。長い長いトンネルにずーっと入っていたことも思い出した。

つらかったけど、がんばろー!







あと思ったこと。

榮倉の立場であれば、新人だし、誰にも相談できないしどうしたらいいかわからないのはわかるけれども、あれ、確実に社内イジメだから、人事にいうべきだね。人事というのは、労基署から指導を受けたくないし、労働裁判にしたくないから、というか、労働者の精神衛生面でも安全な環境を構築して、各部に指導するのが人事の仕事だから、人事にいえば、人事は動くはず。




その際、直接人事にすぐ話すと、自分の中でつらかった体験がうまく他人に話せないかもしれないので、まず紙に書いて起こったことをまとめ、かつ誰か他人に現状を話して、客観的な他人が一番驚いたことが、イコール一番アピール力の高いところだから、そこを中心に人事に話すのがいいと思う。




で、人事に言うとマイナス評価になるとか、さらなるイジメが来そうとか思うかもしれないけど、どうせあそこにいても、自殺するか退職するかしかない、極度におかしい環境なんだから、そういうことは考えずに、とりあえず通常の環境を人事に要求して、その後転職するなり、精神を落ち着けてから身の振り方を考えるべきだと思う。




あとは、弁護士に相談するといい。いきなり訴訟提起はすべきじゃないけど、労基署へ言った方がいいとか、組合に相談したらとか、いざとなれば調停とか訴訟とか、そういう相談に乗ってくれるし、なんといっても、今やられていることが、不法行為ないし安全配慮義務違反になる可能性があるということがわかれば、やられている方としても少しは安心するように思う。

人事に言うのは、社内だから勇気がなくても、弁護士なら、一度相談にいってそれっきりになんていくらでもできるんだから、とりあえず弁護士のところへすぐ行ったらいいと思う。できれば労弁か、それ以外でも大丈夫だと思う。仮に相談した相手の一人目の弁護士が変でも、別の弁護士のところへ行けば、まともな人に出会えるだろうし、すぐに行ったらいいと思った。







ひどい話だ。

あと、いじめって、なんかいじめられるのって自分が変なんじゃないかとか、自分がおかしいんじゃないかとか、自分が悪いんじゃないかとか思うし、いじめられるっていうのは恥ずかしいと思うかもしれないけど、

まっとうな大人であれば、多少不愉快なところがあったとしても、平均プラスマイナス110-15%程度の範疇に収まるような言動を取るように、社会人になったら一年目でまず教育されて、まっとうな社会人であれば、平均プラスマイナス110-15%程度の言動をするようになって、だからこそ、好き嫌いはあれども、組織仕事ができるように、まあ平均-15%の対応であれば、我慢できる範疇だから、そうやって、みんなが不愉快になりにくいように、互いにある程度のまともな言動の範疇に大人なんだから治めましょうという了解のもとに、組織仕事、会社仕事が通っているのであって、




自分が、その平均プラスマイナス10-15%井内に収まっているのであれば、相手の反応も平均プラスマイナス10-15%の対応であって、それを露骨に超える、このドラマみたいな対応が返ってくるというのは、自分が異常か相手が異常かのどちらかだと思う。




で、自分は今までそういう目にあったことはないのであれば、相手が異常な確率が高いのだから、謙虚になることはいいことだけれども、自分を卑下したり恥ずかしがったりすることなく、いじめてくる人に向かっていくべきだと思った。







* 龍馬伝の上士と下士の感想→http://ameblo.jp/drama2010/entry-10465483905.html