「しかし暑いなあ。汗がひくことをしらないよ。会社のインドネシア人も苦しんでるぜ」
「湿気がひどいからね。というより、もっと涼しげな格好をすればいいのよ。その彼の国みたいに」
「そうだよな。会社にくる営業マンは、やっぱりスーツを着てくるからなあ。悪しき慣習だ」
「もしあんな格好で熱中死したら、労災がおりるのかしら。それくらいは必要よね」
誠意の見せかたは、その中身で充分だ。最低限の清潔さがあれば、それでよい。
「もうさ、浴衣と着流しでいいんじゃないか。クソ暑い昼間なんか、仕事なんて忘れてしまえ」
「極端に肌を見せるような服にするくらいなら、浴衣のほうがオシャレだし涼しいよね」
「だろ。男も多少太っているほうが見栄えのいい着流しにすれば、女にモテるってもんだ」
「たしかに細身だと頼りなく映るわ。浴衣にしても、胸の大きさを気にしなくていいしね」
オシャレを表現する方法はいくらでもある。その国の気候へあわすことが、効率的に違いない。
汗だくになりながらスーツを着込んでいても、相手には不快感しかない。もっと楽になればいい。
「だからこそ、俺は祭りがすきなんだよな。やっぱりいいものだ、和風でまとまったカップルは」
「そういえば去年は一回も袖を通してないわ。あなたが一人で旅行に行ったせいよ」
「わかったよ。来月から休みが取りやすくなるから積極的にでかけよう。だが、その前に」
そうねえ、とお腹をポンとたたく。かなり太ったので、ここままでは着流しがつけられない。
「無理しなくていいのよ。夏を感じさせてくれるだけで充分。じゃ、さっそく花火に行こうよ」
もう、そんな時期に入っているのか。二年ぶりにみる浴衣姿で、俺の心にも火をつけてくれよ。
「湿気がひどいからね。というより、もっと涼しげな格好をすればいいのよ。その彼の国みたいに」
「そうだよな。会社にくる営業マンは、やっぱりスーツを着てくるからなあ。悪しき慣習だ」
「もしあんな格好で熱中死したら、労災がおりるのかしら。それくらいは必要よね」
誠意の見せかたは、その中身で充分だ。最低限の清潔さがあれば、それでよい。
「もうさ、浴衣と着流しでいいんじゃないか。クソ暑い昼間なんか、仕事なんて忘れてしまえ」
「極端に肌を見せるような服にするくらいなら、浴衣のほうがオシャレだし涼しいよね」
「だろ。男も多少太っているほうが見栄えのいい着流しにすれば、女にモテるってもんだ」
「たしかに細身だと頼りなく映るわ。浴衣にしても、胸の大きさを気にしなくていいしね」
オシャレを表現する方法はいくらでもある。その国の気候へあわすことが、効率的に違いない。
汗だくになりながらスーツを着込んでいても、相手には不快感しかない。もっと楽になればいい。
「だからこそ、俺は祭りがすきなんだよな。やっぱりいいものだ、和風でまとまったカップルは」
「そういえば去年は一回も袖を通してないわ。あなたが一人で旅行に行ったせいよ」
「わかったよ。来月から休みが取りやすくなるから積極的にでかけよう。だが、その前に」
そうねえ、とお腹をポンとたたく。かなり太ったので、ここままでは着流しがつけられない。
「無理しなくていいのよ。夏を感じさせてくれるだけで充分。じゃ、さっそく花火に行こうよ」
もう、そんな時期に入っているのか。二年ぶりにみる浴衣姿で、俺の心にも火をつけてくれよ。