握手会を終え、ホテルでくつろぐヒョミン。
頬杖をついて、テーブルの上の紙片を見つめている。
その紙片には、ヒョミンの写真とdragon36の名前が記されていた。
そう、先程の握手会で、熱心なファンからもらった名刺だ。
ヒョミン「あの人、本当に韓国語上手だったなぁ」
一体何百人と握手をしたのだろうか。
数多くいたファンの中で、一番記憶に残っていたのが、dragon36だった。
頭の中で、dragon36の言葉を繰り返していた。
「世界中でヒョミンが一番好き。」今まで、こんなにストレートに告白された経験はあっただろうか。
韓国語で言われたので、余計にドキッとしてしまったようだ。
そして、「これからもずっとヒョミンを応援するので一生懸命頑張って」
この言葉に、実は、涙を流しそうになるほど感激していたのだ。
ちょうど事務所からジヨンとヒョミンのソロ活動が発表され、プレッシャーと不安から自信を失いかけていた時期であった。
そこへ、熱い応援メッセージをもらい、勇気づけられていた。
ヒョミン「明日から、頑張ろう、ファイティン!」
何かが吹っ切れたような表情で、ヒョミンはベッドに潜り込んだ。
2014年3月29日午後2時
日本でのイベントを終え、韓国へ帰国したヒョミン。
この日は久しぶりのオフを楽しんでいた。
仲良しのワンちゃんと公園へ散歩に。
天気は快晴で、青空が眩しい。
公園のベンチに座り、ワンちゃんのリードをベンチに繋ぐと、カバンから携帯電話を取り出した。
そして、暫く迷った後、携帯電話の操作を始めた。
dragon36は、休日にもかかわらず、早起きをしていた。
休日出勤をするためだ。
先日のT-ARAのイベントで、3日も休んでいたので、仕事が山積みになっていたのだ。
そして、一仕事終え、遅めの昼食を取るため、会社の近くのラーメン屋に来ていた。
ラーメンを待っている時にdragon36の携帯が鳴った。
登録のない相手からのメールだった。
dragon36「何だろう。迷惑メールじゃなさそうだな」
すぐにでも、削除するつもりで、メールを開けてみる。
『こんにちは。dragon36さん。(^o^)/お元気ですか?この前はありがとうございました。勇気もらうことができました。o(^o^)o ヒョミソ』
dragon36「え、ウソ、ヒョミン?マジ?」
思わず叫んでしまい、周りから、怪訝そうな目で見られる。
dragon36「あれ、何でアドレスが分かる?、あっ、名刺渡したんだ」
少し声のトーンを落として呟く。
そして慌てて返事を返すdragon36。
携帯をカバンにしまおうとした時にヒョミンの携帯が鳴った。
ヒョミン「あ、dragon36さんだ。返事はやっ」
dragon36『メールありがとう。渋谷はほんとうに楽しかったです。(^o^)/また日本に来てくださいね。P.S. ×ヒョミソ ○ヒョミン』
最後まで読んで大爆笑するヒョミン。
ソウル郊外の公園にヒョミンの笑い声が響き渡る。
ヒョミン『急にメールして、ごめんなさいm(_ _)m。だいじょうぶでしたか?自分の名前間ちがえていました。はずかしいですね(*^_^*)』
dragon36『いつでもメールしていいですよ。(^o^)/日本語のべんきょうにも役にたつでしょう』
ヒョミン『ありがとうございます。またメールしますね。アンニョン(^o^)/』
dragon36『はい、アンニョン』
携帯をカバンにしまうと、ワンちゃんと共に公園を走り抜けて行くヒョミン。とても楽しそうな笑顔である。
いつラーメンが出されたのかも気づかず、呆然と携帯の画面を見つめるdragon36。
それからは、週に1~2度メールのやり取りをするようになっていた。
メールは、ヒョミンから送り、dragon36がそれに返事をする。
そして決して誰にも言わない、それが暗黙のルールとなっていた。
ソロ活動の練習が本格化してきており、ストレスを抱えていたヒョミン。
メールの内容は、自然と愚痴が多くなっていた。
そんなヒョミンをいつも、dragon36は優しく励まし、勇気を与えていたのだった。
そして、メールの返事は必ず3分以内に返してくれる。
そんなdragon36をいつしかヒョミンは頼りにし、心の支えとなっていた。
ヒョミン「オッパ・アッパ・オッパ・アッパ」
意味もなく言葉を繰り返すヒョミンがいた。
ヒョミンとってdragon36は、オッパ(お兄さん)と呼ぶには年上過ぎるし、アッパ(お父さん)と呼ぶほど年上ではない。
ちょうど中間くらいの年齢層なのだが、逆にその年の差がヒョミンに安心感を与えていたのかも知れない。
第4章 暗いニュースと明るいニュース に続く


