いつものようにサクサクッと食事を済ませて、コーヒータイム。

アトランティーナは、食べてる時から、どんな爆弾が投下されたのか、

気になって仕方がないみたいで、いつも以上に食べ終わるのが

早かった気がする（笑）私のことを好奇心が旺盛だっていうけど、

アトランティーナも私に負けないくらい好奇心が旺盛なんだよね。

ま、そういうところも似てるから気が合うのかもしれないけど。

コーヒーを淹れてる時もアトランティーナの視線が痛いくらい。思わず、

「ね、アトランティーナ、少しは落ち着こうよ」って声掛けちゃった（苦笑）

「あら、私は落ち着いているわよ」

「だって、食べてる時から聞きたくて仕方がないって感じだったよ。

今もそう。めっちゃプレッシャーなんだけど（笑）

ちゃんと話すから、もう少しだけ待っててよ」

「やだ、待っているじゃない。そんなに私、ソワソワしているかしら？」

「ソワソワしてるっていうよりも＜早くしてっ！＞っていう空気感を

めっちゃ出してるよ」

「もうっ！ミウ、鋭くなり過ぎよ（笑）」

「アトランティーナに鍛えられてきましたから（笑）」

「あら、やり過ぎちゃったかしらね（笑）」

なんとか、コーヒーを淹れ終わって、ソファに座った途端、

「ねぇ、ミウ、もう良いでしょ？どんな爆弾だったの？」

「もう、焦り過ぎだよ、アトランティーナ（笑）」

「だって、気になるじゃない。ね、それで、どうだったの？何があったの？」

「なんかね、局長が視察を兼ねて海外出張したら良いんじゃないかって

話があったらしいのね。でも、言葉が通じないのに海外出張しても

視察になんてならないだろうってことで、来週から、週１で昼休みを使って、

語学研修をすることになったの」

「へぇ〜、そうなんだ！でも、そうよね。言葉が通じなかったら、

行ったところで、観光旅行にしかならないものね。

それにしても昼休みを使うとは、さすがね。無駄がなくて良いと思うわ。

それに、仕事が終わってからだと残業扱いになってしまうし、

早く帰りたいから参加したくないっていう人も出てきそうだものね、ミウ」

「確かに！仕事終わりだったら、早く帰りたくて、集中できないかも（苦笑）」

「それで、曜日とかは決まっているの？」

「うん。毎週水曜日だって。お昼を食べながら勉強するらしいよ。

で、講師も呼ぶんだって。その講師代は、局費から出してもらえるように

局長には交渉済なんだって」

「さすが、しっかりしているわね。で、講師はどうするの？

あと、参加は、全員参加なの？」

「講師は、真田部長の知人なんだって。海外で一緒に仕事を

したことがある人で、まだ若いのに、優秀な人材らしい。

語学教室で、教えた経験もあるから、教え方も上手だと思うし、

気さくな人柄だから、分からないことがあった時は、

遠慮せずにガンガンぶつかっていっても大丈夫ですよって言ってたよ。

それで、レオンくんは、今更、語学の勉強なんて必要ないだろうなって

思ったから、どうするのか聞いてみたら、レオンくんには

講師のサポート役をやって欲しいって言ってた。

レオンくんもみんなの語学力がどのくらいなのか知りたいから

参加するつもりだったけど、サポート役としての参加なら、

参加しやすいから良かったって言ってたよ。

参加は、私のチームは全員参加で、他のチームは参加したい人だけ

参加すれば良いって。でね、私のチームでも参加したくない人は、

参加しなくて良いって。その場合は、チームの編成を変えるって言ってた」

「ふぅ〜ん。で、ミウのチームで、参加したくない人は居たの？」

「とりあえず、みんな参加希望だったよ」

「でしょうね。参加したくないって言い出す人は、

居なさそうなメンバーだものね」

「うん。結構、みんな前のめりな感じだった（苦笑）」

「語学研修って、英語よね？」

「うん。とりあえずは英語で、英語が形になってきたら、

スペイン語もやるみたいだよ」

「欲張りねぇ！でも、確かに英語とスペイン語が話せたら、

怖いもの無しではあるけどね」

「そういうもんなんだぁ」

「それで、講師についての情報は？」

「あっ、真田部長がレオンくんも知ってる人だって言ってた。

テルっていう人みたい。レオンくんは、知ってるみたいだけど、

ずいぶん会ってないって言ってたよ。

でね、レオンくんが知ってるってことは、私の元守護天使なんだろうなぁって

思ったから、ハヤトくんにも聞いてみたんだけど、

＜あ〜、アイツかな？＞って感じで、よく知らないって言ってた。

そうそう、アトランティーナに聞こうと思ってたんだよね。

そのテルっていう人のこと。

レオンくんは、水の属性で、ハヤトくんは、風の属性って言ってたでしょ？

テルくんっていう人は、何の属性なのかなって、ちょっと気になったし、

二人がよく知らないっていうのも気になったんだよね」

「そう・・・テルにお願いしたんだぁ」

「ねぇ、テルってどんな人なの？あと、属性は？」

「属性って、そんなに気になる？」

「うん。だって、レオンくんとハヤトくんとは、違うと思うし。

属性が分かれば、なんとなくだけど、タイプが分かるかなって」

「さすがね・・・」

「えっ、どういう意味？」

「ミウは、覚えていないかもしれないけど、アトラン国に居た頃のミウは、

占星術にも長けていたのよ。

だから、属性で、なんとなくタイプが分かるんだと思うわ。それと相性もね」

「へぇ〜、そうなんだ！でも、占星術のことはチャクラと同じくらい、

勉強したいって思ってるかも」

「占星術は、チャクラよりも時間がかかるわよ」

「うん。それでも勉強したい！だから、明日と明後日はチャクラのことを

教えて欲しいけど、その後は、占星術のことを教えて欲しいです」

「来週は、占星術って言わないわよね？」

「それはないよ、さすがに（笑）だって、明日と明後日だけで、

チャクラのことを完全に理解できるかどうか、分かんないもん。

まずは、チャクラのことをしっかりマスターしてからにする。

じゃないと、全部、中途半端になっちゃうもん」

「偉いわね、ミウは。そういう真面目なところも変わらないわね。

だから、ミウには教え甲斐があるのよ」

「えへっ、褒められちゃった。って、テルくんのことは？

なんか、誤魔化してる？」

「誤魔化してはいないわよ。テルねぇ・・・。

あまり、事前情報は入れたくないのよねぇ（苦笑）」

「それ、どういうこと？」

「ミウの課題は、恋愛なんだけど、それだけでもないのよ。

これまでの人生で、恋もしたし、おつきあいもしてきたけど、

ミウに近づいてくる男性、ミウが好む男性って、

タイプが似ているでしょ？これは、ミウに限ったことではないんだけどね。

でも、世の中には、様々なタイプの男性がいるから、

色々なタイプの人を知って欲しいとも思っているの。

もちろん、仕事や学校でも色々なタイプの人を見てきたとは思うけど、

ミウは、自分が好まないタイプの人とは、関わらないじゃない？

でも、関わらなければ、相手を知ることは出来ないからね」

「それは分かったけど、どうして、事前情報を入れたくないの？」

「先にどんな人なのかを言ってしまったら、ミウの中で、関わり方や接し方を

決めてしまうでしょ？それをして欲しくないの。

好きになる、ならないは別として、興味を持って接して欲しいのよ。

事前情報がなければ、ミウは、知りたがり屋さんだし、自分に関係がある人、

自分の元守護天使なら尚更、積極的に関わろうとしてくれるでしょ？

だから、事前情報は入れたくないのよ」

「っていうことは・・・私が好んで関わろうとするタイプの人じゃないって

ことだね？でも、誰でも自分が好まないタイプの人とは関わらないと

思うんだよねぇ。それじゃダメなの？」

「誰でも好まないタイプの人とは積極的には関わらないかもしれないけど、

ミウは、極端に避けるからね（苦笑）

「えっ、私、極端に避けてる！？」

「自分のことって、気がつかないのよ。

ミウは、好まないタイプの人のことを極端に避けてきたのよ。

それは、今もそう」

「それって、アトラン国に居た頃もそうだったの？」

「そうよ。ミウにとって、ルシフェールがそうだったの。

だから、ミウは、ルシフェールとほとんど話をしなかったのよ」

「えっ、もしかして、それで恨まれて、クンツァイトに呪いをかけられたの！？」

「違うわよ！それに呪いではないしね（苦笑）」

「私からしたら、呪いみたいなもんだよ！ま、流されずに済んだし、

あれはあれで勉強になったから、良かったのかもしれないけどね。

っていうことは、テルっていう人は、ルシフェールに似てるってことなの？

でも、私の元守護天使なんだよね？」

「ルシフェールに似ているっていうか、ルシフェールと属性が同じなの」

「じゃ、やっぱり似てるんじゃないの？」

「似ているところもある・・・かな？」

「で、属性は何なの？」

「火の属性よ。一番の特徴は、思ったり、考えたりしたことは、

すぐ口に出してしまうこと。相手がどう思うとか、どう感じるとかは

お構いなしにね（苦笑）でも、自分も何を言われても

気にしないタイプでもあるわ。サナト・クマラが遠慮せずに

ガンガンぶつかっていっても大丈夫ですよって言ったのは、そういうことよ。

レオンは、水で繊細だからテルのことは苦手だと思う。

ハヤトは、風で筋道を立てて物事を組み立てるタイプだから、何の脈略もなく、

思ったことをすぐに言葉にしたり、行動したりするテルのことは

理解できないんだと思う。だから、二人共、同じ守護天使とはいえ、

あまり一緒に動くことがなかったから、よく知らないって言ったんだと思うわ」

「えっ、じゃあ、私はどう接したら良いの？」

「ミウは、ちょっとレオンに似ているところがあって、自分が発した言葉が

相手にどう捉えられるかを気にするタイプでしょ？

だから、こんなことを言ったら、傷つけちゃうかなとか、

考えて言えなくなってしまうこともあると思うの。

でも、テルには、そういう遠慮は無用ってこと。だから、その時に思ったこと、

感じたことをストレートに伝える訓練だと思えば良いんじゃない？

世の中には、遠慮されることを好まない人も居るということを知る、

良い機会になると思うわよ」

「それって、何気に勇気が要ることだね（苦笑）」

「そうかもしれないわね。でも、一度クリアしてしまったら、

後は、そこまで勇気を必要とはしないと思うわよ。テルみたいなタイプは、

遠慮されると逆にイライラしちゃうから、遠慮は厳禁ね。

ズケズケ言った方が、逆に仲良くなれるから試してみると良いわ」

「なるほど・・・。今回は、そういうレッスンなんだね。

やっぱり、事前に聞いておいて良かったよ。

じゃなかったら、めっちゃイヤな思いをしてたかもしれないもん」

「そうかもしれないわね。でも、自分で対処法を見つけるというのも

勉強になるから、どちらが良いとも言えないかもね（苦笑）

ただ、今までのミウだったら、こういう話を聞いてしまうと、

じゃ、近づかないようにしようって思っていたと思うの。

でも今は、じゃあ、どんなふうに接したら良いのかを聞いてくれたじゃない？

これは、大きな一歩だと思うわ」

「じゃ、安心した？」

「そうね、思っていた以上にミウが成長していて、少し驚いたわ」

「ふふん。スゴイでしょ？（笑）

でも、自分で対処法を見つけるっていうレッスンが、

抜け落ちちゃったっていうか、おまけしてもらっちゃったね」

「そうよ！だから、しっかり取り組んでね。

でも、自分から胸張れるようになって、これもまた成長よね。良いことだわ。

ま、事前に何も知らせなくても、ミウは、誰とでも打ち解けられるところが

あるから、そんなに心配はしていないんだけどね」

「えっ、そうかなぁ？でも、私は、好まないタイプの人のことを

極端に避けてきたんだよね？（苦笑）」

「そうなんだけど、いきなり初対面からってことは、さすがにしないわよ。

いくら、苦手な人を避けてしまうミウだって（笑）徐々に、距離を作りながら、

最終的に完全に避けるって感じかしらね（苦笑）

最初は、表面的に打ち解けながら、相手のことをよく観察して、

どんな人なのか、どこまでなら踏み込めるのかを見極めるのよ。

その洞察力は、大したものだなって感心しているわ。

それで、その後、もっと踏み込むのか、出会ってなかったことにするのかを

決めるのよね、ミウは（笑）」

「出会ってなかったことにするって、なかなかヒドイね（笑）

でも、分かる気がする。あと、人のことは見ることくせに、自分のことは、

見せないんだよね（苦笑）それって、どうなのかな？ちょっとズルイのかな？って

思っちゃったりすることもあるんだぁ（苦笑）」

「ズルイとは思わないけど・・・。まぁ、用心深いのも過ぎると

関係性が進展して行かないから、程々が良いんだけど、

ミウには、その程々が分からないからね（苦笑）」

「そう！なんで分かるの！？程々とか、ちょうど良いとか、

よく分かんないんだよね（苦笑）」

「ミウは、いつでも、どんなことでもオール・オア・ナッシング。

ゼロor１００だものね（苦笑）」

「そう！真ん中が無いの（笑）無いっていうか、どこが真ん中なのか、

分かんない！同じことなのかもしれないけど、いつも白or黒で、

グレーの部分が分かんないんだよね（笑）」

「それがミウなのよ。自分は、そういうタイプなんだって、

分かっていれば良いだけのことよ。それが良いとか、悪いとかという

ことではないから。

ただ、ミウにとって大切な人には理解しておいてもらった方が

良いところかもしれないわね。じゃないと、ビックリしちゃうから、

極端すぎて（笑）」

「だよねぇ・・・。

でも、なかなか分かってもらえないんだけどね（苦笑）」

「そうねぇ、特に日本人には、難しいことかもしれないわね。

程々とか、匙加減みたいなこと、好きな民族だからね」

「そうなのかもしれない」

「でも、悪いことではないのよ。

ただ、そういう価値観だというだけのことだから、そこは忘れないでね」

「うん。ね、アトランティーナ、この極端なところも属性と関係があるのかな？」

「属性ではなくて、星座の特徴ね」

「ふぅ〜ん、星座なんだぁ・・・。知りたいけど、ここで聞いちゃうと、

もっと色々なことを聞きたくなっちゃうから、今はやめとくね（苦笑）

あと、さっき、属性と相性の話をしてたでしょ？

私とレオンくんは、似てるところがあるって言ってたけど、属性でみると

私とレオンくんって、相性良いの？」

「まぁ、良いと思うわよ。ただ、この属性も星座と関係があってね。

友人関係で相性が良くても、恋愛関係で相性が良いとは限らなかったり、

色々と複雑なのよ。ミウとレオン、ミウとハヤトは、どちらも友人として

相性が良いって感じかしらね」

「それ、分かる気がする！二人ともイケメンだし、めっちゃ好きなんだけど、

恋はしないかなって思っちゃってるもん（笑）」

「なんか・・・ちょっと哀しいわ。笑っちゃうけど（笑）

それにしても、テルの話から、ずいぶん飛躍しちゃったわね（苦笑）」

「でも、お陰で星座の話とか、属性とか、相性とか、たくさん話を聞けたから

良かったよ。

テルくんって、私にとって、本当に良い意味で爆弾なのかもしれない。

知識の爆弾！？だって、来る前から、こんなに色々なことを投下して

くれたんだもん！会う前から感謝、感謝だね」

「なかなか良い考え方ね。ミウは、何でも前向きに捉えることが出来るから

スゴイわよね。ホント、才能豊かだと思うわ」

「ありがとう、アトランティーナ！」

「テルだけど、来るのは、水曜日なんでしょ？テルのことは、

あまり気にしない方が良いわよ。ざっくばらんに接していれば、問題ないから」

「うん。逆に初めてだからって気を遣わない方が良いんだよね？」

「そういうこと。ちょっとやそっと、

雑に扱っても気がつかないわよ、テルなら（笑）」

「それ、なんかヒドイね（笑）」

「あら、そう？でも、テルなら、気を遣われるより雑に扱われる方が

好きだと思うわよ。その方が、親しみを感じるんじゃないかしら」

「そっか！私だったら、雑に扱われたらショックだけど、みんながみんな、

同じように感じるワケじゃないんだもんね！そっか、そういうことなんだ！

なんか、また一つ賢くなった気分♪ありがとう、アトランティーナ！」

「いいえ、どういたしまして。でも、テルが来るっていうのは、

ちょっと驚きだったわ。だって、サナト・クマラだって、

それほどテルと仲が良いわけではないと思うもの。

おそらく、私と同じ意図で、ミウが避けそうな人を選んだのかもしれないわね」

「うわぁ！真田部長も私を成長させようとしてくれてるんだ！

有り難いような、迷惑なようなって感じかも（苦笑）」

「ま、それも彼なりの愛だから、しっかり受け取ってあげてね」

「う、うん（苦笑）前向きに捉えます（笑）」

「本当に良い子ね、ミウは（笑）」

「はい、私は良い子です（笑）」

「じゃ、明日と明後日は、チャクラのことを話せば良いのよね？

あまり難しくならないようにするけど、今夜は、少し早めに休んで、

明日に備えましょうか」

「うん。私もその方が良いと思う」

「じゃ、もう寝ましょうね。おやすみ、ミウ」

「おやすみなさい、アトランティーナ。

明日と明後日、よろしくお願いします」

ペコって頭を下げたら、アトランティーナがめっちゃウケてた。

それにしても・・・明日が楽しみ〜♪

＜次回へ続く＞