桜がきれいに咲いている。

この季節になると、春のにおいがする。

植物のにおい…そして梅雨になると埃っぽい雨のにおい。

雨の音を聞きながら、ゆっくりと歩く

何も考えずただ目を閉じて音を聴く。

ザーザーと雨の音、振りだした雨はどこか不思議な香りがする。

雨が降るとどうしても考えてしまう。

あの日も雨だった。

私『はぁ…雨か…。』

『雨?嫌いですか?』

私『うーん。嫌いじゃないんだけどね…』

『いつも、君は雨の時なんか寂しい顔をしているよね。』

私『まぁね…。好きな人と別れるときって大概雨なんだよ。』

『そうなの?』

私『雨が降るとさ…思い出しちゃうんだよ。』

『…そうか。ごめんね。』

私『なにが?』

『なんでも…ないよ。』

私『何でもないのに謝るの?』

『雨ひどくなってきたね。』

私『誤魔化したよ…まぁいいけど。』

『私は、雨好きだよ。』

私『そうか…雨ね。水の音好きだから…案外好きかもな。』

『うん、私は……。』

私 『うん。』

『なんでもない…。』

私『なんでもないのかよ。』

『うん。なんでもない。でも、うん。ありがと。』

私『よくわからないけど…』

『またね(^_^)v』

私『じゃあね(^_^)v』

そして、あの子と会うことはなかった。
 
ごめんねと言われた意味を私はもっと知るべきだった。

人間は勝手な生き物だ。

『ごめんね』って言われたって…
もどってこない。

私のなかにあの子のごめんねだけが残るのだから。

それは…もっと知っていたら悲しくなるかもしれない。

でも、ズルいよ…。

ごめんねって、君が私に何を悪いことをした?

心のなかに…ごめんねという言葉を置き去りにして。
居なくなってしまったのだから。

それを見越して謝っている。

悲しいけど。

受け入れられない自分がいる。

ボーっと考え事をしていて…思い出してしまった。

もう一眠りして…忘れよう。