自分が、現実的に起こらない。

起こり得ない、なにかを。
起きてくれないか、と言うときがある。

しかし、起きるはずがないから。
言っている。

そうなのかもしれない。

例えば、結婚している人が。
『昔、片想いをしていた人に。もう一度会って。もう一度、恋をしたい』
と願ったとして。

それは、結婚しているから。
不可能であり、恋をするという行為はできないから。

また、戻りたいと思う。
しかし、今の生活は壊せない。

あくまで、妄想の世界ということ。
それが、現実になったとき。

人は、どうなるのだろう。

人は、何かの欲求を満たすかのごとく。
そのものに、走ってしまう。

私は、そんな場面にでくわしてしまった。

いきなり、SNSで連絡が入ってきた。

○○くんだよね?
覚えてる?○○だよ?
という、迷惑メールにも似た文面。

しかし、そうではないことは、一目瞭然だった。

送ってきた人は、目の前にいるのだから。
電車で向かい側に座った人から送られてきた。

こちらを笑顔で見ている。

そして私は、
目を合わせ、久しぶりだねと書いて送ると。

私の横の座席に移動してきて。

これから時間があるか?
少し話をしようと、私に声をかけてきた。

私も、帰宅中だったので。
少しなら、と誘いにのった。

喫茶店へ行き話をしたのちに。
飲み屋へ行こうとしつこいので、仕方なく飲み屋へ。

そこまでは、普通だったけど。

翌日は、休みなのを知ってなのか、なかなか帰してくれない。

終電の時間もあるし、帰ろうとすると。
タクシーで帰ればいいと。

なかなか、帰してくれなかった。

そして、夜中2時くらい。

私も、話で盛り上がり。
酒も進み、うとうとし始めたくらいに。

帰ろうか?
と、声をかけてきた。

その日、ものすごく疲れていた私は。

手配してくれたタクシーに乗り込み。
『寝てていいよ、家知ってるし。』
と、言われて。
うとうとしてしまった。

意識が朦朧とするなか。

ここで寝てていいよ。
と、言われて。

少し、経ったくらい。

酔いが、ちょっとさめたときに。
自分の家じゃない家にいた。

ちょっと大きめのソファーにタオルケットをかけて横になっていた。

知らない家の、フローリング。

トイレに行きたくなって、他の部屋をみたけど。
1LDKの間取り。
トイレに着いたけど、あの人は居なかった。

元の場所に戻る。

きっと、気を使って。
家にあげてくれたんだろうし、気にしないことにして、寝よう。

と、思ったけど。

自分が意識しないところで連れてこられたところだから。
怖いのか、寝付けない。

すると、お風呂場の辺りから声が。

『もしもし?○○?元気~?』
って声が聞こえる。

とりあえず、仕方ないので。

目を閉じている。

すると…電話を終えて戻ってきた。。

私の横に座り、私の頭を撫でながら。

『あぁ…なんで、連れて来ちゃったんだろ。○○くん。におうちに帰すって言ったのに…嫌われちゃうかな…。』

『でもなぁ!…私の初恋の相手なんだよなぁ…。はぁ…キスくらいなら…いいかなぁ?』

んちゅ………んんっ?んんっ?

『あなたが、私を深い眠りからさましてくれたのですか?』

『ええっ…起きてたの?』

『あなたの口づけで目が覚めました。』

『…だからっていきなり、舌を入れてこないでよ。』

『これは、失礼。』

『…全部聞かれてたんだね…。ごめんなさい。』

『なんで?』

『それは…あなたを騙したから。独身なのも嘘だし、私の家に連れてきちゃったし。誘拐みたいなものだよ?もう、キライだよね?』

『私は、ただ同級生に久しぶりにあって、酔いがまわった私を介抱してくれて。いい人だよ。』

『…じゃあ、今から起きることは。忘れてくれる…?』

と、そのあとからは…詳しく書かないけど。

想像してください。