そして、

関係は、壊したくなかったのに。

ついに、してはいけないことをしてしまった。

相手が一方的にしてきたとしても、そこで拒絶したものの、元は好きな人。

受け入れてしまう自分がいる。

こんなに、悲しくなるキスはない。

あんなに、好きだったのに。

今では、他人と一生いることを誓いあった人。

だから、私からは何があっても絶対に手は出さない。

そう決めていた。

だけど、相手から来るなんて想定してなかった。

こんなに、辛く悲しくなるキスをしたことがない。

私『やめようよ…。』

『いやだ。』

私『どうして?君には大切なものがたくさんあるはずだよ…。』

『関係ないよ。あたしは、お父さんにも騙されたし。あの人にも騙された。』

私『えっ…。』

『あなたのこと。あの人が知ってたんだよ。』

私『どうして?』

『お父さんが教えたんだって。昔話で面白い話があるって。』

私『おもしろい…?』

『そう、あたしが悲しくて仕方なかったあの出来事を笑い話に…。』

私『そうなんだ…。』

『お母さんは、わかってくれたの。あの子が2ヶ月くらいずーっと。情緒不安定になったあの出来事を笑い話にするなんて信じられないって…。怒ってた。』

私『ごめんね。ほんとの理由を話せないまま。こんなことになって。』

『謝るのは、あたしの方。お父さんが騙して、脅して、ごめんね。ぐすっ…』

私『泣かないでよ…。』

『あなたの気持ち踏みにじって今でも勝手にこんなことしてるし、あなたの優しさを裏切るようなことしてごめんね。』

私『…。でもさ、複雑な気持ちなんだよ。』

『ごめんね。』

私『だって、君のことずっと好きだったし。こんなことされたら辛いよ。』

『うぅ…ごめんね。でも、もうがまんできない。』

私『ちょっと…待って。』

『ムリだよ。もう…しちゃうからね。』

私『…………。』

『あたたかいよ…。あたし、あなたの胸の中で寝るの好き。うん…大好き』

私『ね、やめようよ。』

『あなたの心臓のおとが聞こえるよ。ドキドキしてる。うれしいんだよね?あと、もう少しだね。』

私『…。お願いだよ…正気が保てない。』

『あたしなんて…とっくに正気を保ってないよ。だって‼あなたのこと。』

私『わかったから。もう、それ以上言わないで。』

『…うん。あなたも、ほんとはそんな気持ちなんだよね。』

私『…。そう…だよ。』

『両想いなんだ…。神様って、本当に結ばれるべき人を間違えたのかな。だから…お願い。あの時に戻ろうよ。』

私『でも…』

『あたし達は高校生。あなたは、あたしの…。大切なひと。』

私『…。今日だけだよ?』

『うんっ!!!!今日だけだから!!!!!やった!!!』

私『そんなに喜ばれると…。』

『じゃあ、はじめちゃうからね!!!』

…数時間後。

『こんなに、幸せな気持ちでしたのは、5年ぶりくらい。』

私『私も…我を忘れてた…。』

『やっぱり、上手くなってるよね❤』

私『君だって、かなり…。』

『あたし、普段自分から仕掛けないし。今のあの人としても気持ちよくともなんともないし。だから、あたし。また誘惑しちゃうかも。』

私『変態…大変態。』

『いいもーんだっ!!!あなたの前なら変態になったっていいもん。』

私『…。本気でいってるの?』

『うん、本気だよ。あんな運命的な出会いをして、またこうやって再会したんだから。』

私『それは、そうかもしれないけど。』

『諦めさせるために…。もう少し、あたしに協力してほしいな。』

私『でも…。これは、立派な…。』

『あなたには、絶対迷惑をかけない。あたしの心は癒えてないし。だから。少しの間だけでもいいから。』

私『仕方ないか…。私の気持ちもたまには察して…欲しい…かな。』

『ごめんね。でも、やっぱり優しい。あなたは、やっぱり昔と一緒なんだね。あたし…やっぱり。好きだよ…。大好き…だよぉ…』

私『ちょ…そんなとろけたような顔でそんなこと言うなよ…。』

『あれっ?ツンデレ?あたしの好物☆』

私『変態だ…やっぱり。とんでもない。』

『もー。ばかっ!!本気だからね。』

と、さんざん振り回されるのだった。